円高を嫌気する動きに、持高調整の売りが加わり大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月14日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10202.06円 ▼242.27円
売買高 17億8637万株
日経平均先物 10180円 ▼220円
売買代金 1兆1806億円
TOPIX 934.05 ▼16.36
値上がり銘柄 237銘柄
東証マザーズ指数 461.72 ▼1.47
値下がり銘柄 1365銘柄
日経ジャスダック平均 1251.02円 △0.42円
変わらず 82銘柄
騰落レシオ 82.46% ▼8.85%

日経平均

円高を嫌気する動きに、持高調整の売りが加わり大幅下落

 週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高に振れたことから売り先行となりました。対米ドルだけではなく、ユーロなどでも円高に振れたことで、これまで以上に「円高」に反応することになったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたことから、寄り付きの売りが一巡した後は底堅い場面も見られたのですが、持高調整の売りが見られたことに加え、週末に比べ円高が進み先物にまとまった売りが出ると一段安、大幅下落となりました。節目と見られる10100円台半ばまで下がるとさすがに底堅さは見られましたが、大幅下落となりました。

 後場に入ると戻り歩調となる場面もありました。円高が一服となったことから目先筋の買戻しもあり、戻り歩調とはなったのですが、戻りも鈍く、戻りの鈍さが見られると戻り売りや見切り売りもかさむといった状況となりました。下値をむきになって売り叩くこともなく前場の安値を意識するような水準まで下落すると売りが止まり、売りが止まると買戻しも入るといった状況で方向感のない展開がr続きました。最後は節目と見られる水準で底堅さが見られたことから、目先筋の買戻しが続き下げ幅を縮小して引けました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちました。ただ、主力銘柄が先物に押された面もあり、値がさ輸出株の下落で指数を押し下げたのに比べ、指数は底堅く、東証マザーズ指数や二部株指数は軟調、日経ジャスダック平均はほぼ横ばいとなりました。先物は前場はまとまった売りが断続的に見られましたが、後場に入るとまちまった売り買いは散発的となり、指数を大きく動かすような場面はほとんどありませんでした。あくまでも目先筋が中心となっていたようです。

 円高を嫌気する動きとなりましたが、為替に関係のないところまでほぼ全面安となりました。6月のSQ(特別清算指数)算出後と全く同じような展開になりました。SQ算出後に上値の重い展開となり、翌週から持高調整の売りに押されて調整となるというパターンです。今回も同じような下落となるのであれば指数も10100円台半ばの節目では下げ止まらず、もう一段下の節目である9800円〜9900円水準まで下落となるのかもしれません。日銀金融政策決定会合や5連休を控えて持高調整の動きは続きそうで、少なくとも大きな反発となるのは少し後になるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 再び遅行線が日々線を割り込みましたがかろうじて節目と見られる10100円台半ばから10200円台半ばでの底堅さを確認した格好となりました。それでもまだストキャスティックスもRSIも下値余地があり、いったんは雲のサポートを確認するような水準まで下落、あるいは雲の下限まで下落となる可能性も出てきました。ここで下げ止まったとしても戻りも鈍く、上値の重い展開となるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 雲にサポートされました。遅行線が日々線に上値を押さえられ、日々線は基準線に上値を押さえられています。雲にサポートされて下げ止まったもののまだストキャスティックスもRSIも下落余地はあり、このまま雲にサポートされながら日柄の整理となるか、あるいは雲の下限まで下がり値幅の整理となるものと思います。

円相場

NYダウ

 1ドル=92円の節目を割り込んで一気に下落となりました。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、また、8月高値からの下落も8円近くとなり、そろそろいったん下げ止まるところではないかと思います。8月高値と遅行線の日柄が一致するところであり、日柄的にも「天−底」一致となって反発してもいいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

昨日の反動のような形で週末の手仕舞い売りに押されて総じて軟調

丸 紅(8002) 467 ▼2

 週末の米国市場で原油価格などが軟調となったことから商社株全般に軟調となりましたが、植物工場事業に参入、しかもこれまでの「葉物」だけではなく、「根菜・ハーブ」なども生産できると報じられ、底堅さは見られました。

マツダ(7261) 225 ▼12

 ロシアへの自動車輸出を本格的に再開したと報じられましたが、円高を嫌気する動きにおされ、特に材料視されることもなく売られ、大幅安となりました。

電 化(4061) 410 △13

 先週末の取引時間中に業績予想の上方修正を発表して買われ、引き続き好調な業績を囃して大幅高となりました。発光ダイオード(LED)用の蛍光体事業に本格参入すると発表したことも支援材料となり、大幅下落の市場の中で大幅高となりました。

ニトリ(9843) 7350 △150

 円高メリットのある銘柄として買われ堅調となりました。紙・パルプ株などよりも直接的に円高のメリットがあり、業績面の不安も少ないことから買いの対象となったものと思われます。

ソニー(6758) 2425 ▼60、 トヨタ(7203) 3740 ▼100

 対米ドルやユーロでこれだけ円高が進むと、円高による業績への影響が多い、ソニーやトヨタなどは見切り売りに押されて軟調となりました。両社ばかりではないのですが、輸出関連銘柄は総じて軟調となり、指数の大幅下落の要因となりました。

JAL( 9205) 176 △13

 大幅高となりました。複数の米航空会社と出資受け入れの交渉をしていると報じられたことから、事業基盤強化に対する期待が高まり、買い急ぐ動きとなりました。

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