円高一服、大幅下落の反動が期待された割りには上値の重いさえない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月15日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 前日の大幅下落の反動や円高一服ということで買い先行となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は上値が重くなり、上値の重さを確認すると軟調となる場面も見られるなど相変わらず買い気の乏しい展開となりました。先物のまとまった売り買いに振り回されながらもなんとか堅調とはなったものの、持高調整が続いていることを示すような相場展開となりました。

 「本来であれば」もう少し戻ってもいいところではないかと思われましたが、相変わらず持高調整の売りが続いているということなのか、上値の重い展開となりました。象徴的なのが住友金属鉱山(5713)やソニー(6758)の動きではないかと思います。住友金属鉱山はTOB(株式公開買い付け)の話題やニッケルの増産の話があり、もっと好感する買いなどが入ってもおかしくはないとこでしたたが、利益確定売りや金価格が上昇一服となったことから上値の重い展開となりました。

 ソニーも円安となっただけで、少なくともトヨタ(7203)やホンダ(7267)などが堅調となったように前日比プラスとなってもいいはず(?)なのですが、買われることはなく軟調となりました。こうしたいわば象徴的な株の動きを見ていると相場全体を見るまでもなく、その日の相場や足元の相場の方向が見えて来るのではないかと思います。ここから多少の円安になってもおそらくそれほどは相場が戻らない、とか、材料株物色も限界があり、相場全体の方向感とすれば下を向いているのではないかと言う見方が出来るのではないかと思うのです。

 また、塩野義(4507)やダイキン(6367)が「インフルエンザ関連銘柄」として買われているのですが、物色対象も全くと言っていいほど広がりが見られません。相場のいいときであればユニチャーム(8113)や三洋電機(6764)も買われたのでしょうがおとなしい動きとなっています。「リーマンショック」から1年が経ちましたが、この悲観的な雰囲気が株式市場に蔓延したこと、株式投資は儲からないと刷り込まれてしまったことがこの一年の株式市場の動きではなかったかと思います。ただ、悲観的な雰囲気もどこかで楽観的に変わるものと思われます。「象徴的な」銘柄の動きから、市場の潮目の変化を読み取れるようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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