ある大物アーチストと歩んだ日々……彼から学んだことは? 制作プロデューサー・村田努さんあなたの隣のプロフェッショナル(4/5 ページ)

» 2009年09月18日 10時00分 公開
[嶋田淑之,Business Media 誠]

CHAGE and ASKAのディレクターとして

 CHAGEとASKAが、それぞれソロ活動にも力を入れるようになっていた1998年ころから、村田さんはマネジャー職を離れ、彼らの専属ディレクターとして、音楽制作の仕事へとシフトしていく。

 「アルバムのレコーディング中は、約半年間、1日も休みがないこともあります。それも、正午過ぎに開始して翌朝まで続く、という日々なんですよ(苦笑)。私も重い責任を負っていて、気合いと根性でやり抜きました。仕事を他人に渡したくはないですしね」

 プロとしての意地を感じさせる村田さんだが、彼はこうも言う。

 「コンサートが成功し、CDがヒットしたりすれば、それはもちろん達成感を感じますが、実は、そのころには、次のステージに進んでいて、そっちに忙殺されていたというのが正直なところです」。そのすさまじい繁忙ぶりがうかがわれるエピソードである。

 海外での公演やレコーディングで印象に残っていることは?

 「アジアツアーが印象深いですね。何といっても台湾での野外コンサート! 会場に詰め掛けた何万人ものファンの熱狂ぶりはすごかった〜! そして、韓国でのコンサート! 初めての日本人コンサートでしたが、まさに大成功で、この時は筆舌に尽くせないほど感動しました。

 またロンドンでのレコーディングも印象深いです。子どものころから憧れていたミュージシャンと一緒に仕事できたんですから、喜びもひとしおですよ」

 海外のレコーディングでは、ディレクターとして、英語での折衝も多かったと思われるが、そうしたコミュニケーションは大丈夫だったのだろうか?

 「ええ。大学時代に同時通訳の勉強もしていたので、昔取った杵柄(きねづか)ということで……」と笑う。

レコーディング風景

クリエイター集団「匠」での新たな日々

 CHAGE and ASKAとの濃密で実り多い日々を送っている村田さんであるが、2007年、クリエイター集団である有限会社「匠」に移籍した。契約の形態としては、フリーランスの制作プロデューサーの村田さんを同社がマネジメントするスタイルだ。

 「思いは実現してきているなあ……と感じます。ただ最初からディレクター、プロデューサーという人と比べると、スタートが10年以上遅れてしまったという感覚があることは否めませんけどね。でも、そうやっていろんな経験をした幅の広さ、多面的なモノの見方ができる点などが強みだと思うし、重宝がられる点でもあるとは思いますよ」

 「匠」での仕事と、これからの人生の見通しはどのように?

 「これまでは、CHAGE and ASKAの専属でやらせていただいた私ですが、これからは、新しいアーチストの発掘もしていきたいと思っています。IT企業とのコラボレーションでオーディションをするとか、ライブハウスで原石を見つけるとか、とにかく手作り感を大切にしていきたいですね。あと、プライベートに関しては、結婚相手大募集ですよ」と言って爆笑する。

 ちなみに、どんな女性がタイプなのだろうか?

 「タレントで言うと、関根麻里さんみたいな女性ですね。仕事ができる女性は好きですし、彼女のように、明るく朗らかで、品のある女性はいいですね」と言ってはにかむ。

 「早く結婚して、良いパパになりたいんですよ。もうこの年齢になると、1人でいることにわびしさを感じるんです。ああ、結婚したい!」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.