米国株安を受け、週末の手仕舞い売りや持高調整の売りに押されて連日の大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月02日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 連日の大幅下落となりました。寄り付きにまとまった売り買いが見られたことや持高調整の売り買いがあったようで売買高や売買代金は膨らみましたが、実質的には方向感のない目先筋の売り買いが中心の展開tであったものと思われます。週末の米雇用統計の発表を控え、少なくても積極的に売り買いどちらかに持ち高を傾けるような動きはなく、逆に手仕舞いの売り買いが中心となって方向感がなかったものと思います。

 景気回復のための政策などがいろいろと打ち出されていますが、なかなか景気回復に結びつきません。また、企業業績も「生活防衛」と称する低価格品を扱う専門店ばかりが好調なようです。テレビやフリーペーパーのコラムで作家の石田衣良氏が述べているのですが、もっとお金を使った方がいいのではないかと思います。「お金を使わない事」が結局「使えない」ことに繋がって悪循環になっているのではないかと思います。

 いわゆる「バブル」にする必要もないのですが、石田氏が言うように、販売価格を下げるためにコストを削減しなければならず、そうすると人件費を削ったり、材料を安いものに変えたりするわけです。そして、安い材料しか売れない材料メーカーもリストラをすることになり、販売店でもメーカーでも失職者が増え、会社の利益も少なくなるのです。最後は原油価格などに見られるように価格が下がっていないものもあり、どこかにしわ寄せがいくことになるのです。

 その結果、これも石田氏が述べていたことですが、年収200万円の非正規雇用者と失業者ばかりになるのです。ですから、こういう悪循環をどこかで断ち切らなければならないのですが、お金持ちがどんどんお金を使えばそれが回りまわって人々に行き渡る、つまり悪循環が断ち切れるのではないかと思います。つまり、「バブル」を発生させることも必要なのではないかと思います。そしてお金持ちだけではなく、誰もがもっと(貯め込むだけではなく)お金を使えば、そして貯め込まなくてもいいような、貯め込むよりも使う方がメリットの大きな政策を取れば、一気に景気も回復してくるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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