米国株が大幅高となったのですが、為替が円高に振れたこともあり、上値の重い展開となりました。ここのところ大きく売られていた輸出株や銀行株、不動産株などは買い戻しが入り堅調となったのですが、昨日まで買われていたような銘柄が利益確定売りや見切り売りに押されて指数を押し下げました。全面高と行かないところに今の買い気の乏しい相場が表れており、政策の方向性が見えるまではしっかりと買い切れないということではないかと思われます。
何とも買い気に乏しい展開が続いています。米国株が高くなっても反応は鈍く、好業績が期待されて買われたものも長続きせずに1日だけの相場で終わり、しかも同じような材料で買われそうな銘柄が買われるということではなく、物色の対象も広がりません。売りも買いも儲からないものだから動けないということなのではないかと思います。かといって慌てて売らなければならないほどの悪材料もなく、買わなければならないような相場でもないということなのでしょう。
小型銘柄など値動きの荒い銘柄に飛び乗って、大きく儲けようという向きや目先的な値動きばかりを気にして売買を超短期で繰り返すような投資家(投機家?)が中心となって、じっくりと1割、2割を儲けようと言う投資家が少ないのではないかと思います。急がば回れではないですが、明日1割上がる銘柄がないかと飛びついたり、買ってすぐに1円取れる銘柄はないかときょろきょろとしているのではないかと思います。
ただ、相場と言うのはそううまく行くものではなく、机上の計算通りにはいかないものです。ですから、株式を「売買して」儲けるという発想ではなく、「買って」儲けるという発想にしてはどうでしょうか?今の相場ではそうしたのんびりとした投資は報われないような気がしますが、目先あたふたしてもしょうがないことも多いので、じっくりと買い続けるような投資を考えても良いのかもしれません。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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