米国株高や円安を好感、持高調整の買戻しを急ぐ動きで大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月09日 16時21分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 3連休を控えた週末にも関わらず大幅高となりました。手仕舞いの売り買い、持高調整が中心となる相場のなかで、昨日までと同様に買戻しで指数を押し上げた面が強いと思います。円安に振れた、とか中国市場が堅調だからなどと説明する向きもありますが、先物のまとまった買いのタイミングなどを見ても、関係のないところで買いが入っていることが分かります。相変わらず外部環境などとは関係のないところで買われ、大幅高、高値引けなのですが盛り上がりに欠ける展開となりました。

 新聞に「手数料自由化」の記事が連載されており、功罪が言われていますが、証券会社の立場から言っているのではなく、本当に自由化で良かったのかと思います。というのも「プロ」と「アマチュア」の垣根がなくなった、とか、デイトレードが出来るようになったなどという向きもありますが、デイトレードが主流になったことや信用取引やデリバティブの取引が「プロ」のものから一般のものになったことが本当に「良いこと」だったのでしょうか。

 確かに投資の多様化、売買コストの削減ということは投資家にとっていいことですが、それと同時に投資教育をもっと進めるべきなのでしょう。情報が簡単にインターネットを通じて取得できることは市場の分析、株価の分析などをするうえで非常に役に立ちますし、「板情報」やリアルタイムの株価も確かに役に立つものです。ただ、逆にこれだけ情報が氾濫していると何も「板情報」を見て投資をする必要のない場合でも「板情報」を気にしてみたり、いわゆる「がせねた」に飛びついて大やけどをしてしまったりすることも多いのではないかと思います。

 「見せ玉」の問題でも「板情報」を気にしすぎる、板情報の正確な見方を知らない参加者が多いから問題になるわけで、もっともっと情報の整理が必要なのではないかと思います。小手先のテクニックや手先の器用さ、情報の速さばかりでは投資はうまく行くものではなく、情報を知ることよりも、情報をしっかりと取捨選択できることや分析できることが必要で、注文を出すスピードではなく、出すタイミング、銘柄選択などが必要なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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