米インテルの決算への反応も鈍く、目先の需給に振り回されて方向感なく小動きの展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月14日 17時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場の引け後にインテルの好決算が発表され、寄り付きこそ好感する買いが半導体関連銘柄を中心に見られたのですが、寄り付きの買いが一巡した後は利益確定売りや持高調整の売りに押されて軟調となりました。昨日までと反対の持高調整の動きが出たようで、ディフェンシブ銘柄などは買い戻されて堅調となりましたが、輸出株や金融株は軟調となりました。指数は方向感のない展開で小動きとなりました。

 決算動向を気にして動きがなく、持高調整となっていたかと思われましたが、決算動向にも反応は限定的であくまでも目先的な需給に反応する相場となっています。株式投資をするということは「配当を受け取る」「議決権を行使する」などいろいろな権利を享受するために投資をするわけですが、主な目的は「値上り」と言うことになるものと思います。かつての高度経済成長のようなときには国力=企業の利益、そのものが右肩上がりに上昇となっていたので、簡単に株式投資で儲けることが出来た「はず」です。

 ただ、そうは言ってもいつの世でも安いところを買って高いところを売るということが分かっているのですが、なかなかうまく行かないのではないかと思います。ここのところの相場のように、円高で輸出株が上昇したり、為替動向や米国市場動向にほとんど反応しないとどこで買ってどこで売ればいいのかますます分からなくなってしまうのではないかと思います。ただ、株価が上がるということはその株が欲しい人が多い、ということであり、株価が下がるということはその株を売る人がいるということなのです。

 その売り、買い、という行動だけを見て、目先の動きに右往左往しているという投資家が多く、売る、買う、と言う理由が分かり難いときは行動できないということになるのでしょう。ただ、その売る、買う、ということの理由を考えてみれば、その株は次に買われるのかどうか、つまり、売りたい人が業績とは関係なく売っていて、売り切ったとなると後は売る人がいなくなり反発する可能性が高いというように先が見えて、そして今は買えばいいのかどうかが分かるのではないかと思います。訳も分からず売り買いしても、なかなかうまく行くものでもないでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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