節目での買戻しで下げ幅縮小となるも「日本売り」の様相で一時大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月22日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 最後は買戻しもあって指数は底堅さも見られましたが、一時大幅下落となりました。米国市場が軟調となったことで、売り先行となったものと思われますが、持高調整の売り買いが入りまとまった売りが出たことで業績などに関係なく売られてしまったようです。日本郵政の問題や米国との関係を懸念する動きから「日本売り」となって大きく下げる場面もありました。さすがに業績面では売り叩くこともなく、下値の節目と見られる水準で底堅さが確認されると見直し買いが入り、下げ幅縮小となりました。

 昨日はそれほど騒がれませんでしたが、やはり日本郵政の社長の人選では海外からの嫌気売りなどもあったものと思います。足元の業績がしっかりと回復しているのですが、新政権の政策が全く方向が見えないことからこの業績回復のトレンドが続くのかどうかが懸念されて目先の持高調整などの売りが出ると買い向かえないということなのでしょう。日本郵政の問題などは海外から見たときにとても奇異に見えてしまうのではないかと思います。

 また、日米関係の問題も輸出、特に欧米への輸出で収益を上げている企業が多い中では懸念材料とされるのではないかと思います。かつて、細川政権のときにも政権の方向性が見えないことから株式市場では買いが入らず、先物がストップ安となるなど混乱があったことを思い出しました。今度はそんなことはないと期待する向きも多かったのでしょうが「予算凍結」で下期の景気回復が期待出来ないとの見方もあり、政治主導の下落相場となったものと思います。

 日本市場が各国の市場に比べて出遅れている理由が「先が読めない」ということであり、決して業績が悪いということではないので、政策に関係ないところで業績が伸ばせる企業や外国人が売り過ぎて持っていないような銘柄が案外株価がしっかりしてくるのではないかと思います。業績面からの問題はないにも関わらず大きく売られた銘柄の戻りは期待しても良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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