米国株高を受けて買い先行で始まるものの、週末の手仕舞い売りに押されて尻すぼみ清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月06日 16時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が安くなるときは日本市場も敏感な反応となり大きな下落となることが多いのですが、高いときには動きが鈍いようです。米国株高の割りに何とも買い気に乏しい展開が続いています。「景気回復」と言うことでも景気回復の度合いでもそれほど変わりがないような気もするのですが、投資に対する見方が大きく違うということなのでしょう。相変わらず目先の需給に振らされているということでしょう。

 米国市場に反応し切れない要因とすればやはり、投資スタンスが業績面や今後の大きな流れを見極めて投資をする人が少ないということでしょう。持高調整の売りが出ている銘柄は安く、買戻しが入っているものが高いということで、あくまでも目先の、個別の需給に振り回されて、相場全体としての流れがないような気がします。「業績が芳しくないが、先行きの改善が期待出来る」とか業績面から買えないのですが、相場の流れから見ると割安感が強い、と言うような投資、投機はほとんどないものと思います。

 先行きを見極めるにも、「外国人が売っているからもっと下がる」とか、そうした見方しかしない向きが多いのではないかと思います。政策の先行きが見通せないけれども、政策に関係なく新興国の経済が拡大しているうちは収益が伸びていくと考えられるような銘柄は押し目買いということで対処すれば、少なくとも新興国のGDP(国内総生産)の伸びくらいは収益も上昇するかもしれません。

 目先の株価に右往左往、一喜一憂するのではなく、「今日は安いが・・・」とか「今週はもみ合いとなりそうなので、大きく下がったら買おう」などと「戦略を立てる」ことが出来るのではないかと思います。そうした「戦略」を立てて、そして個別に何処で、どのような買い方をすればいいのか、どういう状況になったら売ればいいのか、買えばいいのかなどを考えていけばいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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