それでは試乗レポートに入ろう。
前述のようにゴルフヴァリアントには3ラインあるが、今回筆者はベーシックグレードの「TSIトレンドライン」と、その1つ上のラインである「TSIコンフォートライン」に乗った。どちらもエンジンは排気量1.4リッターの小型エンジン。そこにTSIトレンドラインはターボ技術を、TSIコンフォートラインはターボとスーパーチャージャーの2種類の過給器を組み合わせて、かなりの小排気量エンジンながら、十分以上のパワーとトルクを引き出している。また、トランスミッションは7速DSGである。
まずはTSIトレンドライン。このクルマはゴルフヴァリアントのベーシックグレードらしく、基本性能と燃費の良さを重視したモデルだ。とはいえ、アクセルを踏んだ時の立ち上がりが“もっさり”することなどみじんもなく、右足の動きに応じて欲しいパワーが欲しいだけ引き出せる。7速DSGの変速はとてもスムーズであり、なおかつマニュアルトランスミッション譲りの応答性の良さとダイレクト感があり、走らせていてとても楽しいクルマだ。またステーションワゴンボディとなったため、直進安定性がさらに増しており、ロングドライブでも疲れずに走れそうだ。
一方のTSIコンフォートラインは、TSIエンジンの過給器アシストをさらに高度化し、同じ排気量ながらパワーアップを図ったものだ。これにより加速感はトレンドラインより明らかに上であり、エコとスポーティを高い次元に実現したい人には最適なグレードと言える。
また、今回のゴルフヴァリアントは静粛性が高いのだが、コンフォートラインでは加速時に耳を澄ませるとエンジン音にまじって過給器の音がかすかに聞こえてくる。エコなファミリーカーながら、スポーティな気分が高まるのは、クルマ好きの人にとってうれしいところだろう。TSIコンフォートラインではヘッドライトがより明るいバイキセノンヘッドライトになり、コーナリングライトやフルオートエアコンなどの装備も充実している。資金的に余裕があり、長く乗るのであれば、筆者はTSIコンフォートラインをお勧めしたい。
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