「デフレスパイラル」懸念などから一時大幅下落となるも底堅い展開、TOPIXは小幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月20日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は軟調となりましたが、日本市場は既に大きく下落しており織り込まれていることや3連休を控えた週末と言う事で手仕舞いの買戻しが入るかと期待されましたが、逆に政府高官のデフレ懸念発言もあって軟調となりました。売られすぎの反動や銀行株への買戻しもあってTOPIXは前日比プラスとなる場面もあったのですが、自律反発も政治に足を引っ張られる格好で相変わらずさえない相場展開となりました。

 政治が相場の足を引っ張る格好となっています。政府高官の発言も「政府」としての一貫性がなく、もう少し立場をわきまえて(野党時代のように何でも反対と言っていれば良いということではないのです)発言をしてもらいたいものです。そうは言っても個々の企業を見てみると政権が動あれ、大臣が何を言おうがそれに合わせて収益を上げ続けなければならないのです。ここのところのニュースを拾ってみても、そういう意味で、海外に収益チャンスを求めている企業が多く見られます。

 「空洞化」と言う懐かしい(?)言葉が頭をよぎりましたが、我々のような「投資」に絡む仕事を生業にしている人間もロンドンで世界的な投資戦略を練ったり、米国で投資家の動向を調査したり、シンガポールで日経平均先物のディーリングをしたりする人間も出ています。日本国内では「投資=投機=悪」と言うような政策も見られ、「やってられない」と海外に出て行く人間も増えています。製造業でも海外で生産して海外で販売するという動きが多くなっています。特に人口増加と経済の発展が著しいアジアでその傾向にあるようです。

 国内の閉塞感から逃れて「アジア」と言う大きな範囲で、その中で「内需」とか「外需」とかを考えてみたほうがいいと思います。日本の中だけでは政治にも振り回されて、収益チャンスもどこでひっくり返されるかわからないのですから、そうしたリスクの少ない海外で収益拡大を図るような企業が伸びる可能性が高いのではないかと思います。「日本で何が売れているのか」というよりも「アジアで何が売れているのか」を考えて投資対象を探してみるといいかもいしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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