お菓子から化粧品、ノートまで――賢いサンプルの配り方とは?郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2009年12月03日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

サンプル配布の狙いと実際のブレ

 サンプルの宝庫といえば、化粧品やヘアケア・スキンケア製品。新聞やネット、雑誌での有料/無料モニター的なサンプル提供が多いのは、ターゲットを絞って購買リードを誘うのが狙いだから。一方、街頭配布や店頭配布といえば、清涼飲料水や栄養ドリンク、ガムやお菓子である。無差別配布で試飲・試食機会を作るのが狙い。

 狙いがあるか、ないかの違いはあるが、どちらも「次は買ってください」というのが売り手の思いだ。顧客化率が100分の1とも1000分の1とも言われるDMレスポンスよりはかなり高いはずだ。

 でも、サンプルを受け取るうちの何割かは“モニターマニア”である。新製品に意見を言いたい“自称アーリーアダプター(新しモノ好き)”。あの「サンプル百貨店」に訪れるお客さんは、本当のお客さんだろうか? 疑わしいのではないか。彼らは語りたいだけ。世間に伝える巫女さんの役割を果たして満足する層なのだ。それが役に立つかどうかは賭けでもあるし、何とも言えないところがある。

 傍目には、潜在顧客なのかモニターマニアなのか見分けはつかないし、当事者も意識していないかもしれない。ただ、売り手としては、どちらに比重をおくかを最低でも考えておくのが必要なこと。

サンプル百貨店

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