ユニクロが作り上げた“一人勝ち”の仕組み(1/3 ページ)

» 2009年12月03日 08時00分 公開
[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


 つい先日ユニクロは、6時からの早朝セールで1000人単位の人を集めた。これは特別なケースだろうが、普段から土日の店舗は大にぎわいを見せている。とびっきりダントツの絶好調企業である。

 2009年8月期の通期連結決算は前期比16.8%増で6850億円、営業利益は24.2%増の1086億円。通期売上も営業利益も過去最高となったようだ。リーマン・ショック何のその、天上天下唯我独尊企業といっても良いぐらいの勢いがある。

 あるアンケート調査によると、1000人を超える回答者のうち「ユニクロで買い物した経験がある」と答えた人は実に96%にものぼったという(日本経済新聞2009年11月30日付朝刊13面)。日本人ならほぼすべての人がユニクロで服を買ったことがある、イコールユニクロで服を買わない人がほとんどいない、というとんでもない状態ではないか。

ユニクロの創業セール

なぜ、ユニクロが受けるのか

 アンケートではユニクロが受ける理由についても調べられている。その結果は次の通りだ。「価格が安い(86%)がトップ。以下、カラーバリエーションが豊富(58%)、シンプルで飽きがこない(46%)、機能性に優れた商品が多い(37%)と続く」(前掲紙)。

 安さが一番の理由なのは想像通りだとしても、それ以外の面でも高く評価されていることがよく分かる。逆にいえば、だからこその売り上げであり利益率なのだ。

 ユニクロの店に行くたびに思うのは、客層の幅が広いこと。子ども連れから若い人、そしておじいちゃんおばあちゃんがいて、筆者のようなおっさん層もきっちりつかまえている。これがすごい。かつて、男女を問わずこんなにもさまざまな年代層の人から支持された洋服屋があっただろうか。

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