後場から見切り売りがかさみ大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月10日 17時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 円高を嫌気して売り先行で始まったのですが、前場は切り返して堅調となる場面もありましたが、後場に入ってからは下げ幅を広げ大幅安となりました。特に売れる材料もなかったのですが、SQ(特別清算指数)算出を控えての思惑から仕掛け的な動きが出て指数を下押す要因となったものと思います。株が売られてから円高に振れたところを見ると円キャリー取引の解消の動きがあったのかもしれません。

 後場に入ってから特に理由もなく売られ、大幅下落となりました。上値の重さを嫌気してた見切り売りもかさみ、大きな下落となったものと思われますが、そもそも後場から突然売り急がなければならない理由も特に見当たらないような気がします。同じ業種の中で、材料がでたわけでもないのに高安まちまちとなるものも見られ、目先の需給要因で指数が大幅安となったものと思います。今年の3月のSQの前も大きな下落となったこともあり、同じ様な要因=持高調整で売られたものと思います。

 こうして理由のないなかで売られたときに、円高になったから売られた、とか、中国市場が安いから、などと材料を探すことが多いのですが単にまとまった売りが出ただけということも良くあることです。それではこうした時にはどうすればいいかということですが、やはり、ここは意味のない流れには乗らずにしっかりと相場を見極める必要があるでしょう。為替が円高に振れたことで慌てるのではなく、為替の「方向」が変わったのか、それとも変わっていないのかなどをしっかりと把握することが大切です。

 そして相場の流れが変わっていないのであれば、投資の仕方によっては理由もなく売られるような場面では思ってもいなかったような安い値段で買えるチャンスとなったかもしれません。特に売られるときばかりではなく、常に相場の大きな流れを把握しておく必要はあるものと思われ、流れが変わったと思ってから動いても遅くはないことも多いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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