米国株高や円安に反応して大幅高、政策の進展も好感される清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月22日 17時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調となったことや為替が円安に振れたことから買い先行となり、円安が進んだこともあり、休日を控えているにもかかわらず大幅高となりました。持高調整と見られる売りも止まったこともあり、売られ過ぎ銘柄の修正も含めて買い直されるものが多く、指数は大幅高となりました。円安となったことに加え、政策面でも好悪は別にして先に進んだことが好感され、公共投資などへの期待から買戻しも入ったものと思います。

 クリスマスモードで方向感のない展開となるのかと思われましたが、期待されていなかっただけに買戻しなども多かったものと思います。米国では今回の不況からの脱出が新興国などの景気回復に乗るような格好で、輸出企業から業績が回復、業績が回復した企業が多いことから国内でのリストラ懸念が緩和されて信用想像とり、リスク許容度の上昇で商品市況や株価が上昇したということなのです。

 あれだけ、マニュフェストにこだわっていたものが「鶴(?)の一声」であっさりと覆されることがいいのか悪いのかはわかりませんが政策の方向転換も公共事業の回復期待となって、株価には好材料となったものと思われます。今後はどのような企業にとって政策面でのメリットあるのか、あるいは大きいのかなどを見極める必要があるのでしょうが、取りあえずは良くも悪くも先に進んだということが評価されたものと思います。

 今後も政策の動向に右往左往させられることもあるのでしょうが、結局最後にはデフレ脱却とならなければ雇用も派遣問題も企業の業績回復も思うようにはいかないということなのでしょう。米国と同様にまずは為替を円安として輸出企業の収益拡大を図り、国内の雇用やリストラ一段落となったところで、個人消費や雇用の方をつけ、デフレからの脱却を図ることになるのでしょう。デフレで一番売り込まれている個人消費関連銘柄もそろそろ底値を探るところから次の展開となって来るのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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