早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。
アサヒビールでは近年、ビール系の新製品を出す際に「目利き調査」を必ずやることになっているそうです。
目利き調査の協力者である一般消費者は、新製品の「プレスリリースの内容」を見ただけで、当該製品が売れるかどうかを高い精度で判断できる人たち。アサヒビールでは、こうしたいわゆる「目利き」の人たちをオンラインで組織化し、新製品の早期の需要予測に活用しています。
例えば、「クリアアサヒ」は目利き調査の結果によると、高い確度でヒットすることが予測されていたそうです。
目利きによる実際の調査内容は以下の通り。
アサヒビールの委託を受けて、目利き調査の研究を担当したのは慶応大学商学部教授、清水聰(あきら)氏。清水氏によると、従来の新製品の需要予測調査には次のような問題があったということです。
しかし、目利き調査の場合、プレスリリースの段階で新製品の売れ行きを予測することができます。
目利きの人たちが「売れる」と判断した商品が、発売後どの程度売れたかを検証した結果を見ると、相関係数(1に近づくほど関連性が高い)が0.91という商品もあり、予測精度は極めて高いそうです。したがって、発売初期における生産過剰や、逆に品不足による機会損失のリスクを低下させることが可能です。
また、競合他社の新製品の売れ行き予測だけでなく、その商品のターゲット層や評価のポイントなども把握できるため、競合対策を踏まえた自社新商品の改良やコミュニケーション施策の修正にも十分間に合う可能性があるのです。
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