1円で最も肉を食べられる牛丼はどこ?(2/2 ページ)

» 2009年12月29日 08時00分 公開
[中村修治,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!
前のページへ 1|2       

 格安ジーンズを試着して「これがいいや」ではなく、「これでいいや」とみんなが感じた瞬間にデフレのスパイラルは加速する。庶民の「これでいいや」は、いい加減である。「肉感」と「価格」のバランスを、感覚でしか捉えない。テレビやマス広告が、それを煽る。確かな判断は、ますます「これでいいや」になる。みんなが「これでいいや」と思い続けると、みんなの働き具合も「これでいいや」な具合になる。それが、いちばん怖い。デフレの行き先とは、個人の総生産を下げ、国力を低下させる。

 デフレ時代に必要なメディアの仕事は、みんなの「これでいいや」のスパイラルに歯止めをかけるようなジャーナリズムである。花森安治さんが、生きていたら、このデフレをどう斬(き)っていたのだろう。(中村修治)

 →中村修治氏のバックナンバー

前のページへ 1|2       

Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.