「年末モード」で積極的な売り買いに乏しく方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月29日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10638.06円 △3.83円
売買高 15億7131万株
日経平均先物 10650円 △20円
売買代金 1兆0545億円
TOPIX 915.87 △1.09
値上がり銘柄 905銘柄
東証マザーズ指数 418.58 ▼6.01
値下がり銘柄 630銘柄
日経ジャスダック平均 1176.48円 △0.95円
変わらず 148銘柄
騰落レシオ 111.89% △0.88%

日経平均

「年末モード」で積極的な売り買いに乏しく方向感のない展開

 クリスマス休暇明けの米国市場は堅調となりましたが、日本市場は昨日の大幅高の反動もあり、売り先行となりました。昨日と同じ様に寄り付きの売り買いが一巡した後に先物にまとまった買いが入り上値を試す場面もありましたが、追随する買いよりは売り向かう向きが多く、上値を確認すると利益確定売りもかさみ軟調となりました。その後は前日の終値付近での動きが続き方向感のない展開となりました。

 後場もさえない展開で方向感のない展開が続きました。目先筋の利益確定売りや年末の手仕舞い売りに押される場面もありましたが、前場の安値=10600円を割り込んだところでは下げ止まり、今度は逆に戻りを試す展開となりました。ただ、積極的に買い上がる、あるいは売り叩くような材料はなく、戻りを試す動きも鈍く、戻りの鈍さを嫌気して手仕舞い売りに押されました。結局最後まで手掛かり材料に乏しい中で年末特有のまったりした動き、方向感のない展開が続きました。

 小型銘柄も手仕舞い売りが散発的に出てはいたのですが、比較的底堅くなりました。東証マザーズ指数は大幅下落となったものの日経ジャスダック平均は小動き、横ばいとなりました。先物も朝方まとまった買いが見られましたが、すぐにそれ以上の売りが出るとそれ以上追随する動きもなく、後は散発的にまとまった売り買いは見られるものの方向感を出すまでには至りませんでした。積極的な売り買いというよりはちょっとした持高調整という感じでした。

 年末と言うこともあり、積極的に持ち高を調整するようなこともなく、指数は方向感のない展開となりました。8月の高値圏での動きとなっているのですが、ここを抜け切るだけの決定的な材料、例えば為替が節目と見られる1ドル=92円を抜けて円安に振れるなど、がないと買い急ぐ動きにはならないのでしょう。市場参加者も目先筋に限られているようで、あくまでも目先的な需給や値動きに敏感に反応する動きであり、そしてその反応も限定的となっているようです。年末年始の海外市場で金利や為替などに動きがないと大きく方向感が出ることはなく、年末年始のラリーが終わると手仕舞い売りや見切り売りに押されてしまいそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 昨日と同様に8月高値を抜け切れませんでしたが、底堅い堅調な展開となりました。RSIには上値余地があるものの高値圏からの調整を示唆しており、ストキャスティックスも高値圏にあって調整を示しています。目先的な過熱感から8月高値を抜けたとしても達成感で上値も重くなるのでしょうし、一旦は10500円から600円水準での底堅さを確認するような動きとなるのでしょう。いずれにしても強含みながらも上値の重い展開であり、そろそろ押し目を確認するような動きとなるのものと思います。

TOPIX

NYダウ

 「三役好転」となったことで高値圏でのもみ合いとなりました。ただ、遅行線が雲を抜け切っておらず雲の上限に上値を押さえられそうで、RSIは上値余地があるのですが、下落を示唆しているように見え、ストキャスティックスも高値圏にあって、基準線や移動平均線からの乖離も大きいことから、一旦転換線や雲のサポートを確認するような、押し目を試すような動きとなるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 節目を意識して調整気分が強まっているのですが、底堅さも見られます。ストキャスティックスは高値圏からの調整、移動平均線や基準線との乖離も大きく、RSIには上値余地もあるのですが、目先的な過熱感は否めず、上値の重い展開は続くものと思います。

銘柄ピックアップ

「年末モード」で買い手控え、大幅高の反動で軟調なものも見られる

三井住友(8316) 2655 ▼75

 29日付の複数の新聞で社長のインタビュー記事として増資をにおわせる発言が報じられ、株式価値の希薄化を嫌気した売りに押されて大幅下落となりました。年末と言うことでの手仕舞い売りもあったものと思います。

しまむら(8227) 8780 △300

 昨日の引け後に2009年3−11月期連結決算を発表、堅調な業績が確認され、通期業績予想を変更しなかったものの上方修正期待から買われ大幅高となりました。大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことも買い材料となりました。

フェイス(4295) 9200 △1000

 電子マネーを使える拠点が急増していると新聞で報じられたことから、電子マネーを手掛けるということで買われ、手詰まり感が強い中で値動きの良さに注目した買いも入りストップ高となりました。

富士電HD(6504) 159 ▼5

 年末の手仕舞い売りに押されて大幅下落となりました。特に売り急ぐ材料があったわけでもないのですが、「パワー半導体の量産」を材料に買われて高値水準にあったことで、利益確定売りがかさんだものと思われます。

パイオニア(6773) 289 ▼14

 ホンダ(7267)からの出資受け入れを延期すると発表したことが嫌気されて売られ、大幅下落となりました。資金調達計画を年末までに決めたいとしていたことから失望感が出たものと思います。

三菱重(7011) 332 △3

 主力銘柄が手仕舞い売りに押されて軟調となる中で堅調となりました。太陽熱発電に参入と新聞で報じられたことを好感する動きもあり、手掛かり難の相場で買われたものと思います。

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