円安を好感して買い先行で始まるも年末の手仕舞い売りに押されて安値引け清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月30日 16時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 結局最後まではっきりとしない相場展開が続きました。米国株はさすがに上げ一服となりましたが、為替がこれだけ円安となったのですから、もっと素直に反応しても良いような気がします。やはりそれだけ中長期的に方向感を持って売買している人が少なく、目先の需給で指数が振り回されているということなのでしょう。買われるから上がり、上がるから買われる、売られるから下がり、下がるから売られるということが多かったのではないかと思います。

 来年から東証の新システムになるとのことで、何度もこのコラムで述べてきたような小手先のテクニックだけで売り買いしているような投機家が淘汰されるかもしれません。どっちに転ぶかどうなるのか、実際に始まってみないことには影響はわかりませんし、しっかりと「こなれる」までには時間もかかるものと思いますが、少なくとも目先の「板」ばかりを見て売買をしていたような「デイトレーダー」は当初はかなり戸惑うのではないかと思います。

 インターネット証券が提供しているような「板」が普通のものだと考えていると全く違う景色が広がることになると思います。加えてストップ高の配分の方法なども変わるとのことで、本当に「小手先のテクニック」で利益を出していた向きはかなり厳しいのではないかと思います。また、板の状況が眼に見えない速さで動くということはまたロスカットの水準設定なども試行錯誤することになりそうです。ただ、逆に新しいシステムを使った「小手先のテクニック」が見つかる可能性もあり、そうしたテクニックを先に見つけようとすることもあるのでしょう。

 新システムもいわゆる「アルゴリズム取引」用ということですが、今後PTS(私設取引システム)などを利用したいろいろな取引も考えられるのでしょう。「昔は良かった」という感慨にふけるのもいいのですが、更に先に行くことを考えると何となく楽しくなってくるような気がします。本日で今年の取引も終わり、業務も終了となります。今年もまたたいへんお世話になりました。これにこれずに更に来年もよろしくお願い申し上げます。 清水

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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