米国株高を受けて一時大幅高となるも達成感からの利益確定売りに押されて上げ幅縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月05日 16時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから買い先行となりました。外国人も大幅買い越しと伝えられたこともあり、一時大幅高となるなど昨年の高値を抜けたことで、少しは吹っ切れた感じです。ただ、後場に出遅れ銘柄の買い戻しなどから大幅高となる場面もあったのですが、買い戻し一巡後は為替が円高になったこともあり、上げ幅縮小、結局10700円台で引けず上値の重さを改めて認識した格好となりました。

 新システムも幾分慣れてきたようですが、まだまだ慣れるまでは時間がかかりそうです。ディーラーに聞いても比較的好感するような雰囲気ですが、まだ使いこなせていないような感じです。日経平均は昨年の取引時間中の高値を抜ける場面もありましたが、達成感や戻り売り、目先的な過熱感からの見切り売りもあって上値の重い展開となりました。米国株の上昇の割りにはエネルギー不足という感じです。

 為替に振らされる動きもそうですが、なかなか強気になり切れない感じで、いっこうに腰の据わった買いが見られません。本日の銀行株や海運株、不動産株への買いも、あくまでも買い戻し、持高調整の買いの一環と言う感じで、買い方も限定されたようです。為替が円高に振れたなかで出遅れ感が強いものが買われたということは円キャリー取引の解消の中での買い戻しとも考えられます。

 ここまで売られていた銀行株などを買い戻し、ハイテク銘柄などしっかりと戻った銘柄は利益確定ということで売る、という動きなのかもしれません。後場になって大幅高となる場面では「アジア市場が強いから」などという解説がありましたが、システムがいくら高速化されたといっても、市場で「何が起きているのか」をしっかりと把握することが必要なことには変わりなく、「何が起きているのか」を知ることが次に何をすればいいかが見えて来ることにつながるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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