出遅れ銘柄への買戻しも続き、円安を好感して3連休前にもかかわらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月08日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 円安を好感して指数は堅調ですが昨日まで堅調となっていた銀行株などは買い戻し一巡感から軟調なものが目立ち、業績回復期待から買われているというよりは目先の需給要因で指数が堅調となっているような感じです。目先的な過熱感が強いことや3連休を控えている割りには売り急ぐような動きはなく、買戻しを急ぐ動きもあって大幅高となりましたが、あくまでも買戻しが中心となっているようです。

 出遅れ銘柄物色が終わると再び自動車株やハイテク銘柄など業績回復期待、円安を受けての収益上振れ期待が強い銘柄が買われるなどしっかりと買い方の回転も効いているようです。ただ、積極的に腰を据えて買い上がるような動きは少なく、まだまだ疑心暗鬼の中での相場といえるのではないかと思います。昨年のような暴落に対する懸念は薄れたものの、買い手に乏しく「全面高」というわけにはいかないようです。

 東証の新システムも何とかうまく言っているのですが、3連休明けなどへのシステム上の不安もほとんどなく、年末のように手仕舞いを急ぐほどの持ち高がないのか、売り急ぐ動きはないようです。円高懸念が薄れたことも底堅い展開となる要因となっているのでしょう。相変わらず政策面では右往左往することが多く、何処を見て動けばいいのかよくわかりませんが政治面でのマイナスも景気の回復期待が打ち消しているということなのでしょう。

 来週以降も引き続き為替動向などをにらみながらと言うことになるのでしょうが、米雇用統計や来週の機械受注などの発表で動きが出るのかもしれません。3連休が明けると正月分も終わり、3月期末への動きとなるのでしょうが、昨年のように持高調整の売りが出てくるのかどうか、金融機関の持ち合い解消などの売りが出てくるのかどうかなど、業績面とは関係のないところでの需給で相場が動くこともあるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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