前日の下落の反動や円安、米国株高を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月14日 16時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日の下げ幅を取り返すように大幅高となりました。為替が円安に振れたことや中国の金融引き締めの影響も限定的とされたこと、米国での景気回復が確認されたことや機械受注の悪化で日本での超低金利が継続されると見られたことなどから、買戻しや持高調整の買い、「円キャリー取引」の買いが入ったものと思います。外国人が買い越しと伝えられたことも買戻しを急がせる格好となりまた。

 目先的な過熱感が強い中ですぐに切り返しとなりました。まだ、上値の節目を抜け切った感じでもないのですが、物色対象が広がったことで買い方の回転も効いているものと思われます。ただ、まだ小型銘柄にまでは買いが回らず、市場参加者の広がりも今一つという感じであり、昨日のように、ちょっとした売り材料や為替動向で売り急ぐことになるのかもしれません。大きな流れも既に上向いてはいるのかもしれませんが、相場の流れが変わったのどうかはもう少し見極める必要があるものと思います。

 昨日は「リテラ・横浜西口」でミニセミナーを行いましたが、その中で今年の相場見通しを述べておきました。こうした見通しも昨日も述べたように鵜呑みにするのではなく、一つの相場の見方として考える方が良いと思います。実際に運用をするのは自分なのですから、自分である程度の方向感は持つことは目先の取引をするだけであっても必要なことではないかと思います。実際にその方向感は常に軌道修正しなければならず、鵜呑みにしてばかりでは右往左往するばかりで、全く方向感がわからなくなると思います。

 目先的な売買が中心だから大きな流れは気にしなくても良いということはありませんし、逆に目先の売り買いではないので、毎日の変化は気にしないという人でも毎日の相場で「何が起こっているのか」くらいは知っておいた方がいいでしょう。毎日何が起きているかを見ているうちに潮目の変化に気が付くということもあります。もちろん毎日の動きに右往左往することはないと思いますし、大きな流れの変化であれば一日二日遅れても大勢には影響はないと思いますが、いち早く変化にいがつくためにはしっかり動きをチェックしておく必要はあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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