米国株安や円高を受けて売り先行、一時大幅安となるも業績回復期待などから底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月25日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は連日の大幅下落となりましたが、日本市場は足元の業績回復を織り込み切っていなかったこともあり、底堅さが見られます。為替面や米国の金融規制の影響はまだまだ懸念されるところですが、アジア市場などを中心に需要が旺盛で業績面でからの期待が強いということなのでしょう。中国の金融引き締めも過熱すれば引き締め、冷めれば緩めるという動きの一環で特に中国経済そのものが崩れる懸念は少ないと思います。

 日本でも決算発表が本格化しますが、業績回復を期待する見方が多くなっています。昨年の9月の決算発表時には好調な決算にもかかわらず、先行き懸念から売られるものが多くなりましたが、10−12月の業績落ち込みも杞憂に終わり、今度は逆に10−12月期でそれまでの業績回復トレンドが確認されたということで、堅調な相場となっているようです。1−3月期の業績回復トレンドは変わらないものと思いますが、期待しすぎると期待したほどではなかったなどということになりかねないと思います。

 決算動向や観測記事に飛びつくと言う投資(投機)の方法もあるのでしょうが、人より早く決算の動向を知ろうとするよりは決算数字をしっかりと吟味して、足元の環境を考えて10−12月期がこうなったから、1−3月期はこうなるだろうと考えて投資をする方が良いと思います。もちろん目先的に飛び乗り、飛び降りる投機も考えられますが、東証のシステムが変わったこともあり、そうしたスピード勝負はどうしても機械との戦いになる可能性が高く、機械では読み切れないところで勝負をした方が良いのではないかと思います。

 決算が発表になると機械的に売買が出てくるかもしれず、取りあえずは乗り遅れたと思ったらじっくりと行く方が賢明なのでしょうし、乗り遅れたのかどうかをしっかりと見極めるだけの力はつけておいた方が良いと思います。力不足を感じるのであれば力不足を補うような投資の仕方をするべきでしょう。いずれにしても「決算発表のときはこうするんだ」などということはないので周りの動きに惑わされずに自分の投資スタンスを持って臨むべきなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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