底堅さも見られるのだが円高や米金融規制、中国の金融引き締め懸念などから軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月27日 16時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日ほどではないのですが、前場が底堅く堅調、後場から売り直されて下げ幅拡大となりました。引き続き中国の金融引き締めや米国の金融規制、欧州の金融不安に続いて日本でも国債の格付け見通しが引き下げられ、加えて北朝鮮の問題などが取り沙汰されて売り急ぐ場面も見られました。為替が円高に振れた割りにはディフェンシブ銘柄や円高メリット銘柄が買われて底堅さは見られましたが、買い急がなければならない材料もなく下値を確認するような動きとなりました。

 悪い材料が出ると悪い方に反応するのは当たり前なのですが出尽くしとなるかその材料に反応するかはその時々の相場の流れや目先的な需給に影響されることが多いと思います。決算発表が本格化するところで、その時々の雰囲気や業種別の反応の仕方などをしっかりと見ておく必要があるでしょう。本日のように「ディフェンシブ銘柄」が消去法的に買われているようなときはディフェンシブ銘柄は悪材料と見られるものでも「出尽くし」と見られ、逆に円高を嫌気する動きが出ていることから、輸出関連銘柄などは悪材料には敏感に好材料には鈍く反応することになるのでしょう。

 何度もこのコラムで述べているように、決算発表に反応する相場であっても「市場で何が起こっていて、誰が何をしている相場なのか」を把握しておくと決算などの反応に対応できるものと思います。また、決算発表直後の反応が思っていた方向と違う方向に行っても、市場の状況が把握できてれば「好決算なのに売られてしまったが、為替が落ち着けば買い直されるだろう」とか、「決算は良くなかったのに買われたのは買戻しが入ったからで、今の高いうちにいったん売っておこう」などということが出来るのです。

 つまり、常に自分の置かれている状況や市場の動向を把握しておくことが単発的なものと思われる材料への反応などに対応できるということではないかと思います。何も状況が分からずに決算が好調だから買われるはずだとむきになって買い向かったり、決算が発表されれ買われたからこれはもっと高いだろうなどと言って高値を買ってしまったりすることになるのです。相場は常に冷静に向かい合わなければならないことはもちろんで、冷静に状況を把握することが成功する秘訣の一つなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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