GDPは予想を上回り好感されるも、企業業績の悪化懸念から売られ大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月01日 09時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10067.33▼53.13

<NASDAQ>2147.35▼31.65

<為替:NY終値>90.26-90.32

GDPは予想を上回り好感されるも、企業業績の悪化懸念から売られ大幅下落

 朝方発表されたGDP(国内総生産)速報値は予想を大きく上回り、前日までの軟調な地合いもあって買い先行で始まり大幅高となる場面もありました。ただ、順調に回復していると思われた企業業績に慎重な見通しを示すものが多く、景気回復が一段落となったことや中国、インドなど新興国での金融引き締め、米国での金融規制、欧州の金融不安などが取りざたされて一転売り急ぐ展開となって軟調となりました。

 業績回復を織り込むような動きと見られていたのですが、日本市場のように先行きに対する不安が増大、慎重な見通しを示す企業を売り急ぐ展開となりました。ここまでの楽観的な景気回復シナリオがにわかに信じられなくなったということなのでしょう。FRB(連邦準備理事会)に対する信頼はまだ続いており、パニック的な売りは出ていないのですが、今後の金融政策動向や経済指標次第ではセンチメントの更なる悪化も懸念されます。

 個別には決算発表時の売上見通しが従来予想に届かなかったサンディスクが大幅下落、「ウインドウズ7」が好調とされていたマイクロソフトも慎重な見通しを示したことで大きく売られ、ハイテク銘柄は軒並み軟調となりました。減益決算を発表したことに加え、原油価格の下落をうけてシェブロンが安く、資源・エネルギー銘柄は総じて軟調となりました。一方、投資判断の引き上げのあったウォルマート・ストアーズが高く、ホーム・デポも連れ高となりました。金融規制問題などが燻って、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ。ゴールドマン・サックスなど金融株も軟調なものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株が大幅下落となったことや週末の手仕舞い売り、ヘッジ売りが嵩み大幅下落となりました。決算発表に敏感に反応していはいたのですが、好材料は出尽くしとなり、悪材料には敏感に反応するようなものも見られ地合いの悪さが目立ちました。日米共に足元の業績は回復しているのですが、先行きに対する懸念が強く、好決算を発表して買われても、最後まで買い切るというよりは利食い先行となってしまうものと思われます。

 週末の米国市場が軟調となりましたが、為替が円安となったこともあり、底堅い展開となりそうです。企業決算の発表も本格化しているなかで業績の回復が見えているような銘柄を買い直す場面も出てくるのかもしれません。業績回復が鮮明になっているものでも、外部環境の悪さから材料出尽くしとして売られてしまったようなハイテク銘柄や新興国関連銘柄などを買い直す動きはあるかもしれません。商品市況の上昇が一服となっており、石油株や非鉄株、商社株などは好業績を発表しても手仕舞い売りに押されてしまいそうです。

 引き続き日経平均は昨年8月のもみ合い水準での動きとなりそうです。10100円台では買い戻しや押し目買いも入り底堅さが見られるのでしょうし、上値は10500円を超える、あるいは意識するところで押さえられそうです。本日のところは10200円台半ばから後半まで戻るところでは戻り売りや見切売りも嵩むものと思われ、上値の重い展開となりそうです。とりあえずは下値固めということで、10100円台半ばから200円台半ばでの底堅さを確認するような展開となるものと思います。

本日の注目点

◇1月の新車販売台数(自販連)

◇1月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数

◇09年12月の米個人消費支出

◇決算・4−12月期:マルハニチロHD(1334)、味の素(2802)、日本製紙G本社(3893)、横浜ゴム(5101)、三井金属(5706)、住生活G(5938)、ダイハツ工業(7262)、塩野義製薬(4507)

◇決算・10−12月期:三菱総合研究所(3636)

◇決算・10−12月期:米エクソンモービル

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