米国株高や好決算に反応して堅調だが、指数の上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月03日 17時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高、値上り銘柄数が多い割りには指数の上値は重くなりました。指数に影響の大きな銘柄の下げがきつかった分、指数の上値が重かったものと思います。中身を見てみると企業業績の上方修正などにはしっかりと反応しており、業績回復が確認できるような銘柄も多くなっています。ただ、事前の予想が注目されていたような主力銘柄の中には好決算や上方修正を発表しても好材料出尽くし感から売られるものも見られ、まだまだ市場参加者の広がりは見られないようです。

 決算数字に反応する動きも細かいところまで見て反応しているというよりは予想よりも良かった悪かったか、と言うことに反応することが多く、また、取引時間中に決算の発表がある銘柄は発表直後にまとまった買いが入ったのか、売りが出たのかで、動きが決まってしまうケースも散見されました。まとまった買いが入れば追随する動きが出て高くなり、まとまった売りが出れば、追随する売りが出て安くなるというような感じです。

 決算の良し悪し、というよりも予想と比べてどうなのか、ということはまだ良いのですが、決算の良し悪しにかかわらず、決算が出て「買われれば良かったのだろう」と言うことで買いが出るといった本末転倒のような動きも良く見られます。経済指標への反応であれば、どの銘柄を売り買いすれば良いのか迷いますが、その銘柄そのものの決算であるだけに「分かりやすい」と言うことなのでしょう。それでもそうした銘柄は目先筋の売り買いが一巡した後はしっかりと落ち着くところに落ち着くものであり、目先の値動きを見てあたふたすることもないと思います。

 決算数字などでもあまりに細かいとこまで、吟味することもなく大雑把な数字を把握しておけば良いと思います。例えば、9%増益でも10%増益でも「この時勢に大きな増益」と言うことで良いと思われ、そうしたところまで細かく神経質になる必要はないと思います。目先の増益や減益にすら惑わされる必要はなく、増益のトレンドになっているのかどうか、増益の勢いは増しているのか減速しているのか、そして、その増益は織り込まれているのか否かなどが分かればその株価のトレンドと突き合わせてみればいいのです。多分に枝葉末節にこだわって肝心のトレンドなどを見落とさないようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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