引き続き手掛かり材料に乏しく指数は方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月16日 16時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 何とも情けない話ですが、海外市場が動かないと日本市場は身動きがとれず、方向感のない展開となりました。海外市場の要因だけで株式市場が成り立っているわけでもなく、海外の影響が大きな企業が多いのはもちろでんですが、1日〜2日海外の市場が休場したからといって、売り買いがこれだけ手控えられることもないと思います。こうした時には予想外の値段がつくこともあり、好業績ながらも大きく売られるようなものは案外戻りも早いのかもしれません。

 市場に手詰まり感が出るときは決まって「材料株」が幕間つなぎとして取り上げられたものですが、最近ではそうした「テーマ株物色」も長続きせず、いわゆる「相場」と言うものが見られなくなったような気がします。「○○関連銘柄」と言うことも以前とは違った捉え方でそうした「テーマ」での動きもほとんどないような気がします。「太陽電池関連」や「電池関連」など今後の市場規模の拡大も大いに見込めるのでしょうが相場らしい相場にはなっていません。

 目先的な値動きばかりを追う投資家(投機家?)がそれだけ多いということなのかもしれず、そうした投機家は「テーマ」で動くのではなく、動いたものに付くということなのでしょう。物色テーマを取り上げて買い上がるのではなく、物色テーマで「動いたから」買い上がるとということの違いではないかと思います。もちろん、そうした投機もまた株式市場であり、そうした参加者を否定するものではないのですが、株式を買うときに「株券が欲しいから買う」と言う投資家が少なくなってしまったような気がするのです。

 株式投資でも「株券が欲しい」のか「株価が欲しい」のかと言うことであり、将来的にどうしても持っていたいと思われる企業の株、また、将来の成長が楽しみな株、と言うことが少なくなり、どうしても「株価が欲しい」と言うことになってしまうのかもしれません。あまりに株価に惑わされていることで、先が見えなくなっていることもあるものと思われ、もう少し先を見ても良いのではないかと思います。自分の気に入った銘柄をいくつかピックアップしてその企業が将来どんな企業になっているのか、思いながらの投資もまた楽しいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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