インスタント食品大国の我が国、数え切れないほどの調味料パケットがある。マヨネーズ、ソース、しょうゆ、砂糖・塩・こしょう、からしやわさび、チーズにバターにマーガリン、ジャムやシロップやクリーム、渋いところではラー油や紅しょうが、サルサソースまである。カップラーメンのかやくもパケット。小袋包装やチューブ型包装が一般的である。
面白いのは『ディスペンパック』。上ぶたに切れ目と突起(ディンプル)を作り、容器を2つ折りにしてピュッと出す。米国サンフォード・レッドモンド社が考案し、日本ではディスペンパック・ジャパンが開発・販売、ドレッシングやクリームなどに使われる。
身の回りのパケット調味料の多さ・バラエティには改めて驚かされる。私たちのパケット好きは、効率や衛生だけが原因ではないようだ。
カップラーメン1つ作るにも、2〜3個お世話になるのが小袋包装。「お湯とどっちが先か」「わざわざ面倒だな」という感じでかやくや調味料を加えるのだが、言ってみればそれらは“調味料部品”、“義務パケット”なのである。
ソースやからし、ラー油やわさびなどのパケットは、切るのも難儀だし手が汚れる。手が油ベトベトで滑って、歯で開けるとしぶきが飛び散って、しょうゆ顔やソース顔になってしまう。ワサビのパケットは切りやすいが、どこか平凡だ。だからといって、しょうゆとラー油がセットになったシールタイプのパケットはユーザーインタフェースに欠けている。また、使いかけのパケットをお皿の縁に立てかけると、倒れてテーブルやクロスを汚してしまうこともある。言語道断である。
開ける時にも使う時にも、快感が欲しいのだ。例えば、圧着シール部分をもっと広く取る。2つのサイドから切れるなら、片方は大きく切れて(ドバっと出せる)、もう片方は小さく切れる(少量ずつ出せる)とか。倒れないように、自立するビニールパケットはどうだろうか?
パケットは数あれど、使用時に義務や疲労があるものも、快感があるものもある。パケット1つで刺身価値も総菜価値もカップラーメン価値も、ぐっと上がることもドンと下がることもある。生産効率やコストメリットだけではパケット価値は語れない。
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