先週末の米国株高や円安を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月08日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場が大幅高となったことを受けて大幅高となりました。先週末に既に大幅高となっていたのですが、米国市場の強さを見て買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。さすがに寄り付きの買いが一巡した後は上値も重くなりましたが、節目と見られる10500円から600円水準まで一気に戻り、強含みの展開となりました。目先的な需給要因の不安は残っているものの業績面での懸念はなく海外要因も先が見えたということで、買戻しを急ぐ動きも入ったものと思います。

 先行きへの懸念が払拭されたわけではないのですが、米国経済指標の改善などを受けて先行きに対して楽観的な見方も出始めたのではないかと思います。既に業績面の回復は鮮明になっており、回復の継続が懸念され、また、目先的な株式需給だけが懸念されていたので、「気の持ちよう」ではないのですが、楽観的な見方をすれば、それなりに買える銘柄も多く見られるということなのでしょう。

 株式市場では指数が大きく下落するともっと下がるのではないかと悲観的に見ることが多く、逆に高くなるともっと上がるのではないかと見る向きが多いと思います。ただ、昔からよく言われることですが、相場も周りの投資家(投機家?)も、そして自分も強気になった時は天井となることが多く、皆弱気になった時は底値になることが多いと言われています。考えて見れば当たり前といえば当たり前の話で、もっと下がると思って売る人が皆売ってしまえば、後は誰も売る人がいなくなり、ちょっと買う人が現れるとすぐに上がることになります。

 逆のときも同じで、買いたい人が皆買ってしまうと後は皆で売り場を探すだけで、買う人がいなくなってしまうことになるのです。もちろん、売り買いがないと値段は付かず、高値買う人も売る人もあり、安値で買う人も売る人もいるのですが、この買う人、売る人の種類が問題です。買う人は買戻しだけであれば買戻しが一巡すると買い手は少なく、売り方も売り方が見切売りなのか空売りなのかでその後の動きも変わってくるでしょう。ただ単に、株価の高安を見るばかりではなく、市場参加者を見極めることも大切なことなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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