8割の男が餌食に! 下着メーカー「トリンプ」のスゲー罠!(1/2 ページ)

» 2010年03月16日 08時00分 公開
[中村修治INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 谷間くっきり「天使のブラ」なら、筆者のようなおっさんも知っている。これは、ドイツに本社を持つトリンプ・インターナショナル・ジャパンの商品。年間売上高500億円、従業員数3000人をはるかに超える、国内第2位の婦人下着メーカーである。

 3月1日のアメーバニュースで「ウェブマーケ業界でスゲー! と言われる二つは?」という記事が配信された。そこで紹介されているのは、2008年カンヌ広告賞で数多くの賞を受賞した「UNIQLOCK」。そして、もう1つはトリンプが展開している通販サイト「desir」の「おねだり機能」である。

トリンプのWeb限定通販サイト「desir」

 「desir」は、その名も「欲望という名の下着」の販売サイトである。隅々に、欲望を喚起させる工夫がある。デザインはもちろんセクシーなのだが……中身がすごいっ。

 例えば、プレゼントキャンペーンでは「ミニボックスティッシュ+オリジナルスキン」のセットがあったりする。何て直接的な……。そして、「ドキドキSEXY体験談」も、もう第3弾。その体験談の内容は、普通の販売サイトだとは思えない。セクスィ〜である。

 そして、問題の「おねだり機能」である。Webサイトの説明によると……。

通常オンラインショッピングでは商品が欲しい時に「カートにいれる」ボタンを押して、商品を購入します。desirでは、「カートにいれる」のほかに「おねだりをする」ボタンがあり、desirをプレゼントしてほしい女性が、男性におねだりをすることができます。

おねだりボタンを押して進んで、おねだり相手のメールアドレスとメッセージを入力します。すると、おねだり相手にメールが送信され、おねだり相手はメールに記載のURLからおねだり商品を購入して、プレゼントすることができます。

 要するに、商品は女性が選んで、決済はお目当ての男にさせる仕組みなわけである。おねだりされちゃった男の方からすると……いろんな妄想もふくらんで……断る理由が見つからない。同サイトによると却下される確率は21%ということで、つまりは実に79%の男がこの罠の餌食になるようだ。ものすごいコンバージョン率である。

 女性下着のマーケットで、男の欲望を利用して、別の決済機能=別の財布からシェアしていく。「欲望という名の下着」にふさわしいWeb戦略である。「一生に一度はこんな女性の罠にはまってみたい」と思う。

おねだり機能の流れ
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