新型オペの増額を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月17日 17時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国での超低金利継続、そしてその中での企業業績に回復が見られること、また、欧州での金融不安が一段落となったことなどから買い先行となりました。日銀金融会合での追加金融緩和待ちということで上値も重くなりましたが、実際に追加緩和が伝えられるといったん買われて大幅高となった後は出尽くし感から上げ幅縮小となりました。それでも底堅さが確認されて買戻しを急ぐ動きなども見られ、再び大幅高となるなど基調は強く、値持ちの良い展開となりました。

 昨年は3月に安値をつけて大きく戻しましたが、今年は3月に持ち合い解消や持高調整の売りに押されることなく堅調となりました。昨年の今頃はまだまだ悲観的な見方が多く、一過性と見られる持高調整の売りが出てもまだまだ下がるのではないかとの懸念から売り急ぐような場面もありました。業績面での底が確認できていなかったことで結果的には底となったのですが、慌てて売るような動きも見られたものと思います。

 今年は逆に楽観的な見方が多く、持高調整の売りが出てもその売りに追随するような動きが少ないのかもしれません。逆に業績回復が鮮明になるなかで、持高調整の買いが入り、株価が上がると買戻しを急ぐ動きなども見られ、指数を押し上げる要因となったのかもしれません。つまり、持高調整の売り買いが出ているという事実は一つでも周りの見方が違うだけで相場の方向が変わるということなのでしょう。

 まだまだ下がると恐怖感に駆られて見切売りを出したとたんに底入れとなったり、まだまだ上がると買いついたところが高値になるなどと言うのも同じことかもしれません。まだまだ上がると思っても「腹八分目」と思って売ったところが高値ということになるものなのではないかと思います。「まだはもうなり、もうはまだなり」といつも思って見ているとしっかりと高値や安値を見極めることが出来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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