米国市場は軟調だが円安を受けて日本市場は底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月25日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は軟調となったのですが、為替が円安に振れたこともあり、買い先行となりました。ただ、持高調整の売り買いが中心の相場で上値も重く、上値の重さを確認すると手仕舞い売りなども嵩んで上げ幅縮小、後場に入って一時軟調となる場面もありました。相変わらず市場の方向感は見られず、目先の需給に振らされる相場と言うことのようです。期末要因での売りや過熱感も上値を押さえる要因となったものと思います。

 本日も後場に入ってから上げ幅縮小、一時軟調となる場面がありましたが、その際に「アジア相場が下落しているから、上げ幅縮小」などと言うコメントが出ていました。何度もこの話題にも触れていますが、アジア市場が安いのは日本市場の上値が重いから、と言うことはないのでしょうか?あるいは米国市場が軟調となったことで、アジア市場が安いということではないのかと思います。全くとはいいませんが、ほとんど関連性のない事象を無理にこじつけて話しても相場の本質を見誤ることにつながるのではないかと重います。

 何年も前に、新月で買って満月で売れば儲かる、だとか、満月の日は相場が高いなどと言われたこともあります。ある意味で周期的にそうなる場合もあるかもしれませんが、実際にはほとんど関連性はない、(もちろん満月だと興奮し易いので売りよりも買いが多い、などということはあるかもしれませんが)と見ても良く、朝起きて一番に黒い猫を見たら相場が安く、白い猫ならば高い、と言うようなこととほとんど変わらないと思います。

 アジア市場が安い、と言う理由が例えば中国の利上げだとか、経済成長率が下振れたということで、あれば日本市場への影響もあるのでしょうが、単にアジア市場が安いというだけでは日本市場や日本経済への影響はなく、日本市場に影響があるのはあくまでも中国の経済情勢であり、景気動向であり、株価指数ではないということをしっかりと覚えておきたいものです。原因と結果、手段と目的がごちゃ混ぜになることもあるのですが、市場を知る上では「何がどうしているのか」見極めておきたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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