米国市場は冴えない展開だが、円安を好感、持高調整の買い戻しもあって昨年来高値更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月26日 16時22分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は冴えない展開となりましたが、為替が円安に振れたことや外国人買いが期待されて買い先行となり、持高調整の買い戻しもあって大幅高となりました。業績面での底入れ期待も強く、新年度からの新規資金の流入に期待する動き、また、配当を取る動きもあって大幅高となったものと思います。持高調整の売り買いが中心となるなかで、買い戻しを急ぐ動きもあり、指数を押し上げる要因となったものと思います。

 過熱感は強いのですが、ものともせずにほぼ全面高、大幅高となりました。為替が円安に振れてハイテク銘柄など輸出関連銘柄が買われて指数を押し上げたことが直接の要因ですが、持高調整の買い戻しを急ぐ動きがあったことも指数を押し上げる要因となったのでしょう。節目と見られた1月高値を抜けて来ましたが、確かに業績面での裏付けはあるものの売買高も伴っておらず、しっくりとこない感じです。

 ただ、株価が高いときはやはり強気になるもので、買いが買いを呼ぶような面もあったものと思います。円安になった要因も、米国の景気が良く、金利が上昇したというような理由ではなく、米国債の入札が不調で金利が上昇したことや、欧州での金融不安がユーロからドルに資金を向かわせて円安になったということで、本来であれば素直に好感して良いものがどうか悩むようなところです。外国人買いが続いていると見られるのもまだまだ持高調整の買い戻しに過ぎないという見方も出来るのではないかと思います。

 来週以降も配当を取ったあとの利益確定売りをこなして上値を買い上がるだけの力があるのかどうかを見極める必要があり、そのためには市場参加者が増える必要がありそうです。大型上場を機に、市場参加者が増え、新年度入りで新たな資金が株式市場に流入するのをしっかりと確認するまではまだ、本格的な上昇とは考え難いのではないかと思います。市場参加者が増えるのかどうか、どんな形で増えるのかどうかを見たいと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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