米国株高や円安を受けて堅調だが、過熱感も強く週末の手仕舞い売りも見られ上値は限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月02日 17時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末ということもあって、さすがに過熱感から上値も限定的となり手仕舞い売りに押されるものも多く見られましたが、過熱感が強い割には底堅い堅調な展開となっています。利益確定売りをこなしているような感じでもあるのですが、相変わらず先物に振らされ、持高調整の売り買いに振らされて、指数が右往左往しているようです。業績回復が見られる銘柄も多く、強含みの基調が続くのは理解できるのですが、目先的に過熱感が強い中で上値を買い上がるだけの材料には乏しいような気がします。

 予想以上に強い相場でどこまでもいつまでも上がるような気になって来ます。本日も過熱感が強い週末、米国市場が3連休、特に主要な経済指標の発表もあり、為替が大きく振れる可能性もある中で堅調となっています。持高調整の買いが中心で買い戻しを急ぐ動きも出ているものと思われます。結果的に強含みの展開が続いているのですが、先高期待から買われているというよりは、持高調整で買わなければならないから買っている、と言う状況ではないかと思います。

 円安というときに買われるハイテク銘柄にもここのところの円安に反応せずに軟調、上値の重いものも散見され、同じ業種中でも高安まちまちとなっているなど、「先物主導」とか、「アジア株が高いから」とか「円安を好感して」などと一言で示されるような簡単なものでもないでしょう。円安で業績上振れが期待されるにも関わらず売られている銘柄はこのまま円安が続けばどこかで買い直されることになるのでしょうし、逆に買われ過ぎている銘柄は円安一服となるか、円高に振れると売られることになるのでしょう。

 ですから、「何かおかしい」とか違和感がある場合には何故、そうしたことが起きているのかをしっかりと把握し、例えば、「円高になったら」とか「円安になったら」とか、「その先の状況」をいくつか設定し、「その時にどうしたらいいのか」を考えて見るといいのではないかと思います。常に違和感の原因を考えておけば、次の状況に臨機応変に対応できるものと思います。過熱感が強いが指数は高い、と言ってばかりではなく、何がどうなると過熱感が薄れるのかなどを考えておくと良いのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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