雇用指標に続き住宅指標や景況感の改善が見られ堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月06日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10973.55△46.48

<NASDAQ>2429.53△26.95

<為替:NY終値>94.37-94.43

雇用指標に続き住宅指標や景況感の改善が見られ堅調

 週末の雇用統計に続きこの日発表されたISM非製造業景況感指数が予想を上回り、仮契約住宅販売指数が予想に反して上昇したことが好感されて堅調となりました。原油先物相場や金先物相場も景気回復を織り込む形で堅調となったことも素材株などの押し上げにつながり、また景気回復を織り込む格好でハイテク銘柄が高く、ナスダック指数は大幅高となりました。ダウ平均はディフェンシブ銘柄の一角が軟調となったことや利益確定売りに押されて上値が重くなりましたが、堅調となりました。

 景気回復を織り込むように幅広い業種の銘柄が循環的に物色されています。ディフェンシブ銘柄の一角は利益確定売りに押されて軟調なものも見られますが、出口戦略が取り沙汰され、金利が上昇している割には堅調な相場展開といえるでしょう。経済指標が好転していることで、金利上昇が気にならず、順調に「業績相場」に移行していると見られ、今後も経済指標や金利動向、個別企業の業績動向などに振らされながらも堅調な地合いが続きそうです。

 個別には総じて堅調ななかでマイクロンテクノロジーズが大幅高、インテルも堅調となるなどハイテク銘柄の上昇も目立ち、新型の多機能型携帯端末を発売したアップルは販売好調ということに加え、目標株価の引き上げも相次ぎ堅調となりました。GE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラーといった景気敏感銘柄も景気回復を織り込む格好で高く、住宅指標の好転を受けてトール・ブラザーズなど住宅株が上昇、原油価格の上昇を受けてシェブロンなど石油株も高く、投資判断の引き下げのあったアルコアも売り先行となったものの商品市況の上昇を受けて堅調となりました。アメリカン・エクスプレスが大幅高となるなど金融株も総じて堅調となり、ファイザーが軟調となるなどディフェンシブ銘柄に軟調なものが散見されたものの、総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国で雇用統計の発表を受けて為替が円安に振れたことが好感されて買い先行で始まり、過熱感が強いことから上値は重いものの堅調な展開となりました。輸出銘柄を中心に業績上振れが期待されて買われ、利益確定売りに押されるものも散見されましたが総じて堅調となりました。騰落レシオ(25日)が150%を超えるなど過熱感はかなり強まりましたが業績回復期待も根強く、売り急ぐ動きにはならないということのようです。

 米国市場が引き続き堅調となっていることから日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、米国株高をある程度織り込んでいることや過熱感が強いことに加え、米金利が上昇している割に円安一服となっていることから利益確定売りに押されて上値も重くなりそうです。業績回復期待から上値の重さを嫌気する動きが見られても売り急ぐこともないのでしょうが、さすがに過熱感の強さから出遅れ銘柄を物色する動きは見られるものの先駆した輸出関連銘柄などは利益確定売りに押されるものも出てくるのでしょう。

 日経平均は11000円の節目を抜けても堅調な地合いが続いています。上値の節目は引き続き、11500円や11800円と言う水準であり、その水準を目指す動きなのでしょうが、過熱感を冷ます意味でも11000円台を固める動き、あるいは11000円を割り込むところでは底堅さが見られるということを確認するような場面も出てくるのではないかと思います。本日は11300円を割り込むあるいは割り込みそうになると買われ、11400円に近づくと売られるような展開となって来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇日銀金融政策決定会合(〜7日)

◇2月の景気動向指数

◇米FOMC(公開市場委員会)議事要旨(3月16日開催分)

◇豪準備銀行理事会

◇9−2月期決算:サイゼリヤ(7581)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.