生意気な新人には、どのように接すればいいのか吉田典史の時事日想(1/3 ページ)

» 2010年04月23日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」


 そろそろ、4月が終わる。新人が研修を終えて、それぞれの部署に配属されるころだろう。その中には、学生時代の意識のままで上司や先輩と対等の口を利く社員もいるに違いない。そうした“トラブルメーカー”には、どのように対応すればいいのだろうか。今回の時事日想は、その対処法を考えたい。

 そこで、2人の人事の専門家に話をうかがった。人事コンサルティングを手掛ける社会保険労務士の中村紳一氏と、特定社会保険労務士の小岩広宣氏である。

生意気な新人との接し方

 中村氏は「20代後半から30代半ばまでくらいの先輩と新人のレベルは、どんぐりの背比べ」と言い切る。双方には、職務遂行能力の差はそれほどないという考えなのだ。

 「4月に入った社員は、しばらくすると20代後半レベルの人たちには追いつくでしょう。30代半ばまでくらいの先輩が新人の言動に腹を立てるのは、要は自分に自信がないからですよ。この世代は、その多くがまだ管理職になる前です。つまり、会社から十分には認められていないのです。だから、必死に後輩を押さえつけようとするのではないでしょうか」

 さらにこうも言う。

 「新人は、この世代の先輩を“上司”とはあまり見ていないと思いますね。つまり、自分と待遇や能力がさほど変わらないと感じ取っているのではないでしょうか。だから厳しく言われると、心の中で“こんな人に言われたくない”と反発心を感じるのです。それが言葉や態度にも出るはず。今度は怒った先輩が押さえ込もうとします。要は悪循環なのですね」

 厳しい見方ではあるが、確かにそのとおりだと思う。例えば、私の取引先は出版社や新聞社が多いのだが、そこで働く30代前半の社員が20代の後輩のことを「彼らはまだまだ……」と言うことがある。しかし私が双方を観察していると、職務遂行能力に大きな差はない。むしろ、30歳を超えていながら20代の社員よりもデキの悪い者がいる。

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