決算動向に反応しながらも、金融規制懸念に振らされる展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月23日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11134.29△9.37

<NASDAQ>2519.07△14.46

<為替:NY終値>93.49-93.55

決算動向に反応しながらも欧州金融不安や金融規制懸念に振らされる展開

 個別には決算動向に素直な反応となるものが多かったのですが、欧州での金融不安や米国での金融規制強化に対する懸念から信用収縮の動きが強まり、一時大きく下げる場面もありました。ただ、米大統領の金融規制改革に対する演説が一部の予想ほど規制強化に積極的ではなかったとの見方や値頃感からの買い戻しも入って堅調となりました。中古住宅販売が予想を上回り、住宅価格指数も下げ幅が縮小するなど景気の回復傾向は確認されており、金融規制などの不安が薄らぐと値頃感からの買いも入るようです。

 決算発表も本格化していますが、注目された企業は総じて堅調な決算を発表していると見てもよさそうです。景気回復を裏付ける格好となっており、個人消費や雇用にも改善傾向が見られ、「業績相場」に移行したものと見ても良いと思います。「バブル憎し」=「金融機関に対する不審」は残るのでしょうし、今後金融緩和の出口戦略などが取り沙汰されるところでは景気回復、企業業績の回復一服感も出てくるのでしょうが、ここでは金融不安や金融規制強化懸念に上値を押さえられながらも好調な業績を織り込む動きで強含みの展開が続くものと思います。

 個別には前日引け後に発表されたイーベイやクアルコムは慎重な業績見通しを発表、大幅安、ノキアの決算も予想を下回ったことで大幅安となりました。同様に前日引け後の決算が予想を上回ったスターバックスやサンディスクは大幅高となるなど、決算動向に素直な反応となりました。引け後に決算発表を控えたマイクロソフトやアマゾンは通常取引では堅調となりましたが、好調な決算を発表したものの、両社共に大幅下落となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株は底堅く堅調、為替も若干円高だが落ち着き、外国人も買い越しと伝えられたのですが、売り先行で始まり、大幅安となりました。後場に入り少しだけ切り返しましたが大幅安には変わりなく、前日の大幅上昇の反動や持高調整の売りに押されたものと思います。決算発表の本格化を前に手仕舞い売りも多く、いったん上値の重さを嫌気して売りがかさむと一斉に売り急ぐ動きとなるのでしょう。

 米国市場は最後は切り返したことや昨日の大幅下落の反動から堅調な展開も期待されますが、為替が対ユーロで円高に振れていることや米国市場の引け後の時間外取引で決算を発表した銘柄が大きく売られていることなどから、上値の重い展開となりそうです。週末ということもあり手仕舞いの動きが中心となるものと思われ、持高調整などの売りが続けば下値を試す展開となって来そうです。ハイテク銘柄など業績上振れ期待が強い銘柄がどの程度下支えとなるかどうかが注目されます。

 節目での下値固めとなりそうです。決算発表を前に企業業績振れが取り沙汰されており、底堅さは見られるのでしょうが政局の混乱や欧米の金融不安、金融規制懸念、新興国の金融引き締め懸念などに加え、G20を控えた週末ということで、11000円と言う心理的な節目をうかがうところでは上値も重くなりそうです。下値は引き続き10800円から900水準の節目での底堅さを確認することになるものと思います。

本日の注目点

◇G20財務相・中央銀行総裁会議

◇2月の全産業活動指数(経産省)

◇1−3月期決算:中外製薬(4519)

◇3月期決算:東京製鐵(5423)、KDDI(9433)

◇3月の米耐久財受注

◇3月の米新築一戸建て住宅販売

◇1−3月期の英GDP(国内総生産)

◇1−3月期決算:スウェーデン.ボルボ

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