大幅下落の反動や米超低金利継続確認を好感して連休の谷間にも関わらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年04月30日 16時46分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 連休の谷間と言う割には値持ちが良く、買い先行で始まった後は小動きでしたが大幅高となりました。連休を控えて海外要因に振らされる懸念から売り買い積極的には動き難いところですが、28日に大幅下落となったことで、ある程度連休前の持高調整の売りが一巡となったとの見方や好調な決算を発表するものが多いことで売り急ぐ動きもなく値持ちが良かったものと思います。欧州金融不安の緩和などが大幅高の理由とされていますが、米国で超低金利継続が確認されたことが信用収縮の流れを反転させて堅調となったものと思います。

 先週からわけもわからず大きく売られたり、買われたりと方向感の無い、落ち着かない相場が続いています。ファンダメンタルズでは世界的な景気回復傾向は変わらず、企業業績も回復しているものが多く、買われるか売られるかは回復度合いが期待した通りなのか、期待された以上の業績なのかできまりそうな感じです。ただ、同じように業績の上方修正を発表しても持高調整の売りに押されるものなどもあり、結局は目先の需給に振らされている状況には変わりないようです。

 昨日の米国株高も多くの見方が「ギリシャ問題の解決の糸口が見えた」から大幅高となったというように伝えていますが、米FOMC(公開市場委員会)で超低金利継続が確認されたこと、利上げに賛同する理事が一人も増えなかったことが大きく上昇した要因ではないかと思います。何度もこのコラムでも述べてきたことですが、リスク許容度が上昇するとそれだけ、株式市場にも商品市場にも資金流入があり、その資金で株価、商品の価格を押し上げる要因となるのです。

 資金流入が増えても空売りが増えると株価や商品価格が下落すると懸念する向きもあるようですが、空売りが増えるということはそれだけ将来の買いが増えるということなのです。ですから下がれば空売りの利益確定売りの買い戻しが入り、上がれば損失を確定するために買戻しを急ぐことになるのです。景気が悪化している相場が下落トレンドにあるところでは買戻しを急ぐというよりは売り乗せしてしまうことが多く、相場が上がりにくいのですが、上昇トレンドにある中で空売りが増えるということは将来の買い方が増えることと考えてもいいのでしょう。ですから、ここのところの相場のように一気に上昇した後は底堅い展開となることが多いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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