<NYダウ>10024.02▼112.61
<NASDAQ>2222.33▼34.71
<為替:NY終値>90.92-90.98
特に大きな材料が出たわけでもないのですが、信用収縮の動きが続き大幅下落となりました。朝方発表されたISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況感指数は前月よりは悪化したものの予想を上回り、特に雇用や受注の好調が示されて好感され、堅調な始まりとなりました。3連休を控えたヘッジ売りの買戻しも見られたのですが、中国の景気回復の鈍化や原油価格の下落などを受けて手仕舞い売りが嵩み引け際に大きな下落となりました。
欧州金融不安が依然として根強いことから、信用収縮の動きが続いており、リスク資産からの逃避となっているようです。中国や米国でも景況感は悪化していると言い切れるほどではないにしても勢いをなくしており、ここが正念場となっているようです。ただ、悪材料には敏感に反応しているものの、企業業績は引き続き好調、受注状況や個人消費の底堅さも見られ、逆に「金融緩和の出口戦略」が取りざたされることなく、超低金利が継続することになれば、インフレ懸念も少ないことから、買い直される場面も近いのではないかと思います。
個別には石油関連銘柄が原油流出事故の影響を受けて大幅下落、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の預託証券(ADR)は15%の下落となり、ハリバートンやトランスオーシャンなどの油田サービス会社も10%以上の下落となりました。エクソン・モービルやシェブロンも軟調となり、中国の景気拡大の伸びの鈍化を懸念してアルコアが大幅下落、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)も軟調となりました。多機能携帯端末の販売台数が好調ということでアップルが買われ、ウォルマートも国内景気の回復などを好感して買われました。金価格が堅調なことから、ニューモント・マイニングやパブリック・ゴールドなど金鉱株は高くなりました。
昨日の日本市場は米国市場が休場となったのですが、先物へのまとまった売りや持高調整の売りに押されて軟調となりました。後場からは落ち着きも見られ下げ幅縮小となりましたが戻り切らず軟調となりました。中国の景気減速懸念や日本の政局の混乱を取り沙汰する見方もありましたが、単に持高調整の売り買いのなかで指数が下落となったということではないかと思います。
3連休明けの米国市場が大幅安となったことやユーロ安が進んだことから売り先行となりそうです。ただ、昨日のもたついた相場である程度織り込まれていることや米国で中国関連株や資源株を中心に売られたことから、日本市場でも資源関連としての商社株や中国関連銘柄などが軟調となるのかもしれませんが、国内景気、消費の回復も見られることから円高メリットのある内需株などは底堅い堅調な展開となって来るのではないかと思います。
下値を確認するような展開になりそうです。節目とすれば9600円水準ということになりそうです。9600円水準を割り込まなければまだ「アイランド・リバーサル」という格好となりますが9500円台前半となると9500円から600円水準での底値固めということになりそうです。持高調整の売りが出るのかどうかで底堅さも変わってくるのでしょうが、為替が大きく円高とならなければ9600円水準での底堅さも見られるのではないかと思います。引き続き、上値は9800円台で引けてこないことには10000円を目指す動きにはなり難く、9800円水準が当面の目処となっています。
◇5月のマネタリーベース(日銀)
◇4月期決算:伊藤園
◇5月の米新車販売台数
◇4月の米仮契約住宅販売指数
◇1−3月期の豪国内総生産(GDP)
◇海外2−4月期決算:ホブナニアンエンタープライゼズ
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