経済指標を好感、欧州金融不安も一服となったことや前日の反動もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年06月03日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10249.54△225.52

<NASDAQ>2281.07△58.74

<為替:NY終値>92.12-92.18

経済指標を好感、欧州金融不安も一服となったことや前日の反動もあって大幅高

 朝方発表になった住宅関連の指標が予想を上回ったことや新車販売台数も好調とされたこと、また、欧州で金融不安が一段落となったこともあって、原油価格なども反発し大幅高となりました。前日とは反対に引け際に買戻しを急ぐ動きから一段高となりました。信用収縮の行き過ぎという面もあり、リスク資産からの逃避の反動も出たものと思われ値ごろ感からの買いも入って指数を押し上げる結果となりました。

 経済指標も引き続き好調な経済を示す数字となり、節目と見られる水準まで指数が下落すると改めて買い直す動きも出るようです。欧州金融不安が規制強化につながり、米国での金融規制強化の流れとあいまって、信用収縮=リスク許容度の低下を招いたということで、まだ何一つ解決したわけでもないのですが、過敏に反応しすぎた分の戻りは大いに期待されるものと思います。景気動向、業績動向を見直す展開となれば、底入れ感も強まってくるのでしょう。

 個別には仮契約住宅販売指数の上昇を受けてDRホートンやトール・ブラザーズなど住宅株が高く、5月の新車販売台数が前年同月比で大幅増となったフォードが大幅高となるなど経済指標などに素直な反応となり、テーマパークの予約が増えていると伝えられたウォルト・ディズニーも大幅高となりました。JPモルガン・チェースは投資判断の引き上げがあって買われ、バンク・オブ・アメリカなど金融株は軒並み高、原油価格の反発を受けてエクソン・モービルやシェブロンも高く、景気敏感株のキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、IBMやアップル、インテルやグーグルといったハイテク銘柄も軒並み堅調となり、ほぼ全面高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安を受けて売り先行となったのですが、総理大臣の辞任を受けて一時堅調となり、その後売り直されるなど乱高下となりました。為替は比較的落ち着いていたのですが、持高調整の売りも嵩み指数を下押すこととなったものと思います。海外市場で信用収縮の動き、リスク許容度が一段と低下したことを嫌気したものと思います。

 米国市場が大幅高となったことや為替が円安に振れたことから、買い先行となりました。昨日は特に売り急がなければならない理由も無い中で大きく下げた反動もあり、米国市場同様に全面高が期待されます。業績面から売られすぎとなっている銘柄も多く、ここのところ大きな下げとなっているハイテク銘柄や商社株などの反発が期待されます。一方で円高メリットがあるとして買われていた銘柄などは上値も重くなるのかもしれません。

 昨日の相場で何とか9600円水準で引けたことで底堅さが見られたものと思います。米国株高や円安を受けて本日は9800円水準の上値の節目を試すことになるのでしょう。目先的には9600円を割り込むか9800円を抜けるかというところであり、9800円を抜ければ10000円を目指すことになり、9600円を割り込むと9400円水準まですぐに下落となってしまうのでしょう。9800円を抜けて引けてくれば底入れ感が強まるものと思います。

本日の注目点

◇1−3月期の法人企業統計(財務省)

◇須田日銀審議委員が和歌山市で講演、会見

◇岡村日商会頭会見

◇5月の景気動向調査(帝国データ)

◇5月の米小売り各社の既存店売上高

◇5月のオートマチックデータプロセッシング(ADP)全米雇用リポート

◇1−3月期の米労働生産性指数(改定値)

◇5月の米ISM非製造業景況感指数

◇4月の米製造業受注

◇ロックハートアトランタ連銀総裁講演

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演

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