ミラノサローネ2010、MAGISは「アイデア」が見どころ(1/2 ページ)

» 2010年06月14日 08時00分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 ミラノサローネ2010レポート。色やデザイン、素材、掛け心地。ミラノサローネで登場した新作を見るにはさまざまな視点がある。

 イタリアのMAGIS(マジス)はやはり「アイデア」が見所。今年も作品ごとに区切った展示で、デザイナーとプロダクトの個性が分かりやすい、見るだけで楽しい空間だった。マジスというと個性的な色や形に目がいくが、その根底となっているのはやはり「機能へのアイデア」である。

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 マルセル・ワンダースの「SPARKLING」。4本のペットボトルで支えられているかのような椅子。それもそのはず、脚部は、ペット樹脂のボトルを成型する時の吹出し射出の技術で製造されている。そんなアイデアから生まれた椅子の透明な美しさには息を飲む。

エキサイトイズム 「SPARKLING」マルセル・ワンダース
エキサイトイズム マルセル・ワンダース氏

 トーマス・ヘザウィックの「SPUN」は、コマのような椅子。まるで椅子に見えないが、思い切って体を投げ入れるとぐるりぐるりと回転する。

エキサイトイズム 「SPUN」トーマス・ヘザウィック

 もちろん回転しなくてもゆらゆら揺れているだけでも気持ちいい。不思議な座体験である。奇抜な形ではなく、「座ったときの体験」が、この椅子の心なのだ。

 また深澤直人の新作は、家型の時計。2009年の秋に東京でも話題をさらった鳩時計でも記憶に新しいだろう。

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エキサイトイズム 「CUCLOCK」深澤直人

 人が一般的に持つ鳩時計の記憶、パソコン上の時計のアイコン、子どもたちが学校で使う時計など、さまざまな記憶のパーツがデザインのアイデア源になっている。

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