上海にVWゴルフの電気自動車モデルが出現

» 2010年06月21日 15時45分 公開
[東ミチヨ,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 フォルクスワーゲンは、ゴルフの電気自動車モデル「ゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)」の試作車を上海で公開した。これは2013年に発売予定の同モデルを、プレス向けに限定的にプレゼンテーションしたもので、ドイツ国外では初めて中国で紹介された。ドイツでは、メルケル首相と、ラムザウアー運輸大臣にだけ紹介されていたという。

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 日本やアメリカに比べて、ハイブリッド車やEVよりもガソリン車が根強い人気のドイツだが、今回のプレゼンテーションでは、フォルクスワーゲンもガソリン車と並行して未来のモビリティ開発にも注力していることをアピールした。2009年のフランクフルトショーでは、電気駆動のコンセプトカー「e-Up!」が公開されたが、どちらかというとシティコミューターの役割が強い同車に比べて、「ゴルフ ブルーeモーション」はスペック的にも“走る楽しさ”が味わえる仕様になっている。

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 最高出力85キロワット/115馬力、定常出力50キロワット/69馬力のモーターは、アクセルを踏み込めば、85キロワットまで一気に加速することができる。時速100キロまでの加速は11.8秒で、追い越しなどもスムーズに行える。最大航続距離は150キロ、最高速は時速135キロを実現。

 フォルクスワーゲンによれば、ゴルフらしさを感じさせるのは、しっかりしたシャシーによってもたらされる静粛性や安定感。余計なノイズも排除するよう設計されているという。また、回生ブレーキもドライバーがコントロールできるシステムが搭載され、手元のパドルで3段階のコントロールが楽しめる。

 ドライブモードも、3つのプログラムから選択することができ、航続距離、快適性、走りのどれにプライオリティを置くかによって、電気モーターのパワーなどが変更できる。例えば「コンフォート」を選択すると85キロワットのフルパワーまで発揮するが、「ノーマル」の場合は60キロワットに制限されるといった具合だ。

 また、iPhoneなどでリモートコントロールを行うこともできる。

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 フォルクスワーゲンと電気自動車やハイブリッド車の関わりは、実は古くからある。1970年代にはバス型のタイプ2エレクトリックモデルが作られ、1980年代にはゴルフIIのハイブリッドも誕生していた。

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 今回の「ゴルフ ブルーeモーション」に関して、上海で実際に試乗した広報担当者によれば「走りの感覚としては、このまま販売されてもほとんど問題ないレベル」の完成度であったという。しかし、あえて2013年発売の時機を待つには理由がある。それはやはりバッテリーのコストの問題であるという。

 フォルクスワーゲンAG会長のマルティン ヴィンターコルンは次のようにコメントしている。

 「圧倒的な成功を収めるためには、電気自動車は幅広い人々にとって手頃な価格のものになると同時に、日常においていかなる妥協も廃した実用的なクルマにならなければなりません。そのときになって初めて、高い生産規模と、可能であれば世界のあらゆる地域での販売が可能となり、人々は電気自動車の時代の到来と、それによる環境面での目に見える改善効果を実感できるようになるのです」

 なお、2011年にはドイツほか世界各国で「ゴルフ ブルーeモーション」500台の実験用車両を使った実証実験がスタートする予定であるという。

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