米国株安や景気回復鈍化懸念に持高調整の売りが加わり大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月25日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大きく下落したことから、世界的な景気回復鈍化に対する懸念から大幅安となりました。外国人が大幅売り越しと伝えられたことや円高傾向にあることもあって売り先行となり大幅安となりました。それでも週末の手仕舞いの買戻しもあり、寄付きからの売りが一巡した後は下げ渋りも見られ、小動きとなりましたが、後場に入って一段安となったあとは下げ幅を大きく縮小するでもなく方向感のない展開が続きました。

 本日の大きな下げの要因の一つに半導体関連銘柄の下げがきつかったこともありそうです。景気の先行きに対する警戒感から、証券各社が半導体関連銘柄に悲観的な見方をしたことで週末の見切売りが嵩んだ面もあるかもしれません。ただ、アナリストのレポートやコメントがそれほど影響があるとも思われないので、持高調整の動きのなかで、持っていたものが売られたというのが真相でしょう。

 目標株価の引き下げなども良く話題になりますが、そもそもアナリストの「目標株価」の予測自体が単なる計算だけであり、市場のセンチメントや先行きの期待度、あるいは成長性までも予測しているわけでもなく、全く参考にならないと言うわけでもないのでしょうが、あてにする必要はないものと思います。5500円している銘柄の「目標株価」を7000円から5800に引き下げても実際はまだ目標株価まで達していないのにもかかわらず、5500円から売られてしまうというのも考えて見れば、おかしな話です。

 つまり、「目標株価」はあくまでも「○○の計算をすれば・・・」という「株価」であり、「目標」ではなく「参考」と考えるべきものだと思います。投資判断の変更や目標株価の変更に一喜一憂するよりは、相場の大きな流れを見て買い向かったり、売り急ぐことが必要ではないかと思います。本日の動きも投資判断や目標株価の変更に反応したようで、実は単純な持高調整の動きではないかと思われ、これまでの流れは変わらないものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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