特に材料のない中で目先の需給に降らされ、前場は軟調、後場は堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月06日 16時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 前場は持高調整の売りに押されて軟調、昨年7月や11月の安値を窺うような展開となりましたが、後場に入ると持高調整の売り一巡感から買い先行となり、目先筋の買戻しも入って大幅高となりました。特に材料が出たわけでもないのに売られ、逆に特に材料が出たわけでもないのに買われるといった目先の需給に振らされる展開となりました。株が売られると円高に振れてますます売りが嵩み、株が買われると円安となってますます買われるというような動きでした。

 朝方から予想外に売られる展開となりましたが、特に理由のないなかでいろいろな理由を探る動きとなっていました。株が下がると売られる理由を探してその理由で株が売られ、為替は円高に振れて、その動きを見て、ますます売られるというような展開になりました。逆に後場は前場も寄付きからの売りが一巡したあとは戻り歩調となっていたのですが、特にそうした需給要因での買いにもかかわらず、中国市場が高いからといって買い急ぐ動きとなり、買いが入って堅調となると買戻しを急ぐ動きでますます買われるという状況でした。

 先週の下落局面でも「米国市場が・・・」などといろいろと理由をつけていたものの、特に理由のない中で売られていた感じです。ちょうど昨年7月と同じような展開であり、季節的に売りが嵩むということなのかもしれません。夏休みを前に持ち高を調整する動き、あるいは6月の決算を過ぎて、新たに売りポジションを取るということで売っていたのかもしれません。ただ、いずれにしても目先の需給要因だけで株価が振らされているということには変わりないものと思います。

 今後、4−6月期の決算発表も出てきますが、日米共に足元の決算は堅調、見通しは慎重となりそうで、市場ではどちらに反応してくるのかが注目されるのでしょう。ただ、ここまで先行きに対する不安から大きく売られていただけに、足元の好調な業績を無視して慎重な見通しだけに反応していたのであれば、足元の好調な業績を改めて織り込むように堅調な地合いとなって来るのではないかと思います。百貨店の売り上げなど、小売り店の売り上げなどには明らかに流れに変化がみられ、大きな流れに変化が出ているのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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