米国株高や円安を好感して買われ、大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月08日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高などから日本市場も大幅高となりました。為替も円安に振れ、これまでの動きが反対に回転したような格好です。米国での景気回復鈍化懸念も欧州金融不安が薄れたことが好感されているようですが、特に何が変わったわけでもなく、朝方発表された機械受注は逆に大きく予想を下回ったのですが、特に材料視されず、持高調整の売りが一巡となったことでちょっとした買戻しや押し目買いが入ると大きな上昇となるということなのでしょう。

 大幅高とはなりましたが、大幅高で寄り付いた後は値持ちはいいものの指数は小動きとなりました。円安を好感する動きや好業績銘柄を物色する動きはあるものの、特に集中して物色されているような業種やテーマなどもなく、大幅高となったわりには相変わらず盛り上がりに欠ける展開となっています。指数は前日に比べて大幅高となり、為替も前日に比べると大きく円安に振れてはいるのですが、その水準自体がこれまで売られすぎた反動と言う面もあり、積極的な買い手が入るということでもないことが盛り上がらない理由なのでしょう。

 とりあえず売られすぎの修正は見られるものの、先行きに対して何か明るいものが見えたということでもなく、暗い部分を見すぎていたことで、少し明かりが見えるととてもまぶしいものに見えるということなのだと思います。明るいものをしっかりと見ていた向きにとっては、まだまだ「普通の」明るさまで戻っていないということなのでしょうが、既に明るいところにいて、買うものを買っているので、改めて買い直すということでもないということなのでしょう。

 日経平均が10000円を超えてくるようであれば、先高期待が高まり、新たな市場参加者も増えるのかもしれませんが、それまではまだ市場参加者も増えず、疑心暗鬼のなかで底値固めということなのでしょう。ただ、いつも述べていることですが、「まだはもうなり、もうはまだなり」ということであり、「大相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えて行く」ものなのです。ちょうど昨年も7月半ばに9000円台で底値をつけたことも思い出しました。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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