ほぼ全面高で指数は大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月14日 17時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国での決算が引き続き好調ということを受け、米国株が大幅高となったこともあって買い先行、大幅高となりました。米国での景気回復鈍化懸念が薄れたことに加え、欧州での金融不安も薄れ、目先筋の買戻しも交えて買い先行となりました。ここまで売り越し基調となっていた外国人も本日は大幅買い越しと伝えられたことも、リスクを取れる資金の流入期待につながりほぼ全面高となりました。

 これまで疑心暗鬼になっていた向きも米国企業が相次いで(といっても2日間で3社ですが)好決算を発表したことから、一気にセンチメントが好転、景気回復鈍化に対する懸念も払拭されてしまったものと思われます。これまで、持高調整の売り=信用収縮から株式市場が軟調となっていたことで、景気の先行きに対する懸念が強まったいたという面もあるのでしょう。持高調整の売りが一巡となって、株式市場の下落が止まったところで、好決算が発表され、センチメントが一気に好転したものと思われます。

 確かに「予想以上」の業績となったのですが、ある程度好決算は予想されていたことであり、改めて驚くこともないのですが、景気回復鈍化=企業業績の回復の鈍化が懸念されていただけにそうした懸念が杞憂に終わったことで、買い直されたものと思われます。何度も述べて来たことですが、今月に入ってからは雇用指標の悪化や景況感の悪化が取りざたされてきましたが、実は中身をしっかり分析して見ると決して「良い」という数字ではなかったにしても、決して「悪い」ということでもなかったのです。

 「悪い、悪い」と声高に叫びながら持高調整の売りが出るものだから、先行きに対して疑心暗鬼になり、買い手が引っ込んでしまったのですが、景気そのもの、業績そのものは決して悪くはなかったということなのです。中国株が云々、とか中国の景気拡大が鈍化などということも同じことであり、中国の景気拡大が鈍化するといっても個人消費の伸びは巨大であり、GDP(国内総生産)の拡大が止まるということもなく、あまり過剰に反応する必要はないと言うことでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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