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YouTuber、コンサル、ビール醸造 日立の社員はどんな副業をしているのか?申請の2割は却下(1/2 ページ)

» 2026年02月24日 07時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

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 日立製作所は2024年10月から、社外副業制度を本格導入した。対象は正社員だけでなく有期契約社員やシニア層を含む全従業員だ。原則として、業務委託型の「非雇用型の副業」を認めているという。

 前回の記事【日立が踏み出した「副業解禁」 “試行1年”で磨き上げた制度設計の「4つの承認基準」とは?】では、日立製作所が5年の歳月をかけて構築した副業制度の狙いや、導入の舞台裏を紹介した。

 では実際に日立の社員は、どのような副業をしているのだろうか? 話を聞くと、NPO活動やYouTuber、地域でのビール醸造(【日立「Lumadaの中核人材」が副業でビール醸造 地域貢献がマネジメント力を育てた理由】参照)など多様な仕事に取り組んでいるようだ。

 2024年度は社員からの副業申請が約370件あり、そのうち承認に至ったのが約310件だったという。つまり約2割の60件は却下されていることになる。

 社員の副業推進と合わせて、利益相反や情報漏洩(ろうえい)を防ぐためのルールも整えた日立。副業制度の利用実態と、それを支えるルール整備について、人財統括本部の小野遵英さん(人事勤労本部 トータルリワード部 労務・雇用企画グループ主任)に聞いた。

日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部 トータルリワード部 労務・雇用企画グループ主任の小野遵英さん

コンサル、YouTuber、起業 日立社員はどんな副業をしている?

――日立の社外副業は、どういった職種や業種が多いのでしょうか。

 2024年度に実施したアンケートを見ると、最も多いのは民間企業での副業で、全体の約半数を占めます。コンサルティング業務や企画・マーケティング関連の仕事が多いです。次に多いのが非営利団体、いわゆるNPOやボランティア団体での活動で、地域団体での支援などが中心です。

 その他には、大学で教壇に立つ技術者や専門職の方が約1割、地域の消防団など公共性の高い活動をされている方も一定数います。地方でお米を販売するなど農業関連の事業を始めた方もいます。

 自身で起業して個人事業主として働いている方も、およそ2割います。最近では顧客からの依頼に応じたコンテンツを生成・制作するようなクリエイティブ系の仕事も増えています。いずれも、自分の得意分野や興味を生かした個人事業のケースが多いですね。

――個人事業主として働く方の具体的な職種は?

 ライターやカメラマンの他、Webデザイナーとして自身の制作会社を運営している方もいますね。社会保険労務士などの資格を生かして、本業とは別に業務を請け負うケースもあります。

――社員が自ら会社を立ち上げた場合、その扱いは「非雇用型」になるのですか?

 個人事業主として会社を設立し、役員報酬を得ている場合は、雇用型としては扱っていません。役員報酬は給与所得とは異なり、法人格を持つ個人事業主としての扱いになります。そのため、本業の年末調整とは切り離し、各自が確定申告で申請してもらう形です。

 副業の収入を給与所得とした場合や、副業分の所得が20万円を超える場合は、会社から発信される年末調整の案内に沿い、本人が確定申告をするルールにしています。従って、会社としては年末調整の対象外としています。

――YouTuberのような活動も対象になりますか。

 はい、認めています。YouTubeチャンネルの運営も申請手続きをすれば問題ありません。実際、そうした創作活動をしている従業員もいます。

――他にも、従業員が副業として起業したり、家業を継いでいたりする例はあるのでしょうか。

 あります。クリエイティブ分野で、自分で制作会社やデザイン事務所を立ち上げる人が比較的多いですね。親の事業を引き継ぐケースもあります。例えば個人経営の店舗などを、経営者として引き継ぐ従業員もいました。副業の職種は本当に多様で、従業員一人一人のキャリア観や生活背景を反映しています。

満足度98%、本業への支障は「ゼロ」 上長が健康管理も

――副業制度が社員のモチベーションに与えている影響はどうでしょうか。

 非常にポジティブです。アンケートでは約98%が「自身の成長や視野の広がりを実感した」と回答し、社会貢献を実感しているという声も9割に上ります。一方で、本業に支障が出たという報告は一例もありません。

――労働時間の管理や、過重労働への対策はどうなっていますか。

 ガイドラインでは「週7〜8時間程度」を目安とし、実施時間はシステムで自己申告してもらうことで労働実態を把握しています。

 もし本業と副業を合わせた時間が2カ月連続で長時間に及んだ場合は、上長が健康確認を実施します。また、長時間労働の基準を超えた場合には産業医面談を受けられる仕組みも導入しました。健康へのリスクを、専門家の視点で早期に察知できるようにしています。

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