学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ
【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)
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【概要】学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
2025年、日立製作所は大きな転換点を迎えた。
4月に德永俊昭氏が新社長に就任し、新経営計画「Inspire 2027」が始動。ドナルド・トランプ氏の米国大統領再選に伴う関税リスクが世界経済に暗い影を落とす中、日立の業績は底堅い。
2025年第2四半期には利益が過去最高を更新。グローバル市場が投資に慎重になる逆風下で、なぜ日立は過去最高益を達成できたのか。その要因は、かつての巨額赤字から脱却するために断行した「デジタル」への大胆なポートフォリオ転換と、德永新体制が掲げる「アジリティ」(俊敏性)への執念にあった。
米NVIDIAや米OpenAIといった世界的リーダーとも即断即決で提携を結ぶスピード感は、巨大企業・日立のどこから生まれているのか。阿部淳副社長に、激動の2025年を振り返ってもらいつつ、組織変革の手応えを聞いた。
阿部淳(あべ・じゅん)1984年、日立製作所入社。 ITソフトウェア開発に従事したのち、データストレージやクラウドなどのサービスプラットフォーム部門で事業責任者を歴任。大みか事業所長を経て、2018年4月に産業・流通ビジネスユニットCEOを務めた。2024年4月に代表執行役 執行役副社長。2025年4月よりデジタルシステム&サービス(DSS)の事業責任者。1961年生まれ。宮城県出身――阿部副社長から見て、2025年は日立にとってどんな年でしたか。
4月に社長が代わり、新しい経営計画「Inspire 2027」がスタートしました。2030年を見据えながら、その中間点に向けた3年間をどう過ごすかという計画を立て、環境・幸福・経済成長が調和する「Harmonized Society」を掲げて始まった年だったと思います。
業績面では、今のところ順調に進んでいる感触を持っています。前提として上期は増収増益ですし、当社のデジタルシステム&サービスセクター(DSS)としても上期は増収増益でした。第1四半期は、トランプ関税の影響もあって、特にグローバルでみんな投資に慎重になり、少し身構えていたところがありました。しかし結果としてはそこまでひどい状況にはならなかった印象です。
足元の経済状況を見ても、各社それなりに数字を作れていて、当社も第2四半期に入ってからは、売上高も利益も過去最高を更新しました。そういう意味では、業績的には比較的順調に上期のスタートを切ることができたと見ていますし、下期もそれなりにきちんと仕上がるのではないかと今のところ考えています。
――德永社長の体制について、どのように受け止めていますか。
德永さんが社長になって、2025年5月に年度初めのキックオフがありました。そのキックオフの場で德永さんが強調していたキーワードの一つが「アジリティ」でした。AI時代にふさわしいスピード感を持って、とにかく意思決定と実行のスピードを上げていく趣旨のメッセージでした。
実際、それが(AIで社会インフラの革新を目指す、日立の次世代ソリューション群)HMAXの成長や、OpenAI、NVIDIA、Google Cloudといったさまざまな企業とのアライアンスにもつながってきています。
NVIDIAとは、ジェンスン・フアンCEOと德永さんがホワイトボードで議論し、その場でサインして話が決まるようなスピード感でしたし、OpenAIのサム・アルトマンCEOとの間でも、私も同席した会議で迅速に物事が決まっていきました。社長自らがリーダーシップを取り、スピードを上げていく姿勢が、トップだけでなく全体にも徐々に伝わってきたと感じています。
HMAXについても、トップ同士が戦略を共有し、意思決定をする「One Hitachi Advisory Board」という形で、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリー、デジタルシステム&サービス各セクターのトップ4人が集まり、さらに戦略SIB(Social Innovation Business)ビジネスユニットという新しい成長領域を担う組織を率いる谷口潤専務も交えて「どこに投資するのか」「どういうビジネスモデルで臨むのか」「どの顧客にどう提供するのか」「どのようなパートナーと組むのか」といった議論を重ねています。
社長交代から8カ月が過ぎましたが、初年度としてはおおむね狙いどおりの形で進んでいるのが今の実感です。
――2009年以降、過去最大の赤字からさまざまな変革を経て、今ではアジリティ高くスピード感のある組織になったように見えます。長く日立を見てきた立場から、何が変わったのか、なぜここまで回復できたのだと思いますか。
私自身も、リーマンショック後に出した約7800億円の赤字は、非常に残念な出来事として強く記憶に残っています。ただ、今振り返ると、あれだけ大きな赤字だったからこそ、「このままだと会社が潰れるかもしれない」という危機感が、一気に会社全体に広がったのだと思います。
そのような中で、川村隆さんや中西宏明さんといった当時の社長が大きな発想転換に踏み切り、「作れば売れる」という考え方を改めようと、本気で舵を切りました。
――その発想の転換のポイントは、どこにあったのでしょうか。
そのとき掲げたキーワードが「デジタル」です。デジタルによって付加価値を生み出せる事業と、そうでない事業をはっきり分け、ポートフォリオを組み替えていきました。日立金属や日立化成といった素材系はデジタルとの親和性が低いと見て売却し、逆に送配電のパワーグリッドや鉄道の信号・運行管理など、デジタルで価値を出しやすい事業を伸ばす方向に振りました。
開発のやり方も、日本流のウォーターフォールから切り替え、米GlobalLogicへの出資を通じてアジャイル開発の文化を取り込みました。パワーグリッド事業や鉄道事業の大型買収でも多くの人材がグループに入り、「早く失敗し、素早く学ぶ」というアジャイル型の文化が黒船のように流れ込んできたことも、非常に大きかったと思います。
――組織やカルチャーの面では、どのような変化がありましたか。
例えばM&Aでは、当初は日立側のプロセスに社内の承認ステップが多過ぎて、「これでは間に合わない。7つあるのを2つ、3つにしてくれ」「現場側で決裁できるようにしてほしい」といった声が上がりました。そうした要望を受けて、プロセス自体も少しずつ変えてきました。
もちろん、今でも細かいところでは日本的な「サイロ」が残っている面はあります。しかし全体としては確実に良くなってきていて、さらに良くしようという動きも加速しています。
先述の「One Hitachi Advisory Board」でも、発足当初は日本人ばかりが話していたものの、海外の現地メンバーがどんどん発言するようになり、今は皆がよくしゃべるようになりました。そういう意味でも、社内文化は着実に変わってきていると感じます。
――経営陣の顔ぶれなど体制の変化もありましたね。
大きく変わりました。以前は「取締役の半分以上がノンジャパニーズ」「7〜8割が社外取締役」といったガバナンス面の変化が話題でした。しかし今は執行側の構成が大きく変わり、私以外のセクター長3人もノンジャパニーズで、CHRO(最高人事責任者)もイタリア出身のロレーナ・デッラジョヴァンナさんです。
皆、いい意味で空気を読み過ぎず、思ったことをストレートに言うタイプで、そのおかげで自分の意見を言いやすいカルチャーになってきました。社長の德永さんも東原敏昭会長も、きちんと話を聞いてディスカッションを促してくれるタイプで、そのリーダーシップが良い方向に効いていると思います。
――現場の事業やビジネスモデルは、どのように変わってきましたか。
現場の事業に目を向けると、HMAXは日立レールからスタートしました。鉄道の世界でも、信号や列車制御はソフトウェアの塊ですし、エネルギー分野も同じです。(グローバルに鉄道事業を展開する)日立レールは日本以上にサービス志向が強く、モノを作って納めて保守して終わりというビジネスから、顧客と一緒に価値を作り、そのバリューに対して継続的に対価をいただくリカーリング型のモデルへと大きくシフトしようとしています。
その中心にあるのがデータです。データを使ってサービスを提供し、繰り返し改善することで、顧客との関係を継続し、新たな契約につなげていく。典型的なハードウェア出身の人たちももちろんいます。例えば現・モビリティ事業責任者のジュゼッペ・マリノさんはもともと車両の工場長です。バックグラウンドがさまざまな人たちが一緒になって、ビジネスモデルやお客さまとの価値創出に関わっている。これは、昔との大きな違いです。
【イベント情報】学研が挑む"真のDX"
学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。
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