草の根“最強”フットサルチームに学ぶ、みんなの勝利郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2010年07月22日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

強豪フウガ

 フウガ東京は2008年度の全日本フットサル選手権大会で優勝したチーム。「Fリーグ(国内フットサル・トップリーグ)の1位、2位、3位をすべて破って優勝したんです」とフウガ東京の広報を務める斉田昌也さんは話す。

 同大会はサッカーの天皇杯と同じく、全国のフットサル地域リーグで勝ち残ったチームと、シードされたFリーグチームとのトーナメント戦。日本一達成後、10人も選手を引き抜かれたが、2009年の関東リーグ(チームが所属する地域リーグ)で優勝した。

 「フウガは強くなるために外から戦力を入れません。『FUGAでうまくなって、ここで育ちたい』という選手ばかりなんです」

“みや”こと宮崎暁選手がサイン入りTシャツを着る子どもを肩車

 2001年にサッカー強豪校、都立駒場高校と暁星高校のサッカー部メンバーが創設したフウガは、2004年に関東リーグに昇格。2007年にリーグ優勝、以来3年連続優勝。「強さの原動力は何ですか?」と聞いてみた。

 「やっぱりチーム一丸で戦うところです」とは“アゲ”こと揚石創選手。

 こんなエピソードを聞いた。フウガで10番を背負うテクニシャン、渡井博之選手は静岡でプレーしていた。ある日ふらりと「フウガでやりたい」と単身上京。仕事も決めず、家もないままにやってきたという。

 Jリーグで時折見かける、選手交代を命じられて“爆発”する選手は醜い。チームのメンバーを信頼していれば、そんなことにはならないはず。フウガではそんなことにならない。その魅力や強さの源泉は“1つ”であるからだ。

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