第35鉄 真夏日の鉄分補給は涼しいミニ博物館で杉山淳一の+R Style(4/6 ページ)

» 2010年07月23日 11時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 横浜市営地下鉄ブルーラインは、あざみ野から南下して横浜中心部を経由し、西へ進んで小田急の湘南台までを結ぶ路線。地下鉄という名だが、あざみ野から北新横浜までは地上区間も多く景色を楽しめる。横浜市が中核として力を入れている港北ニュータウンを経由。緑の多い清潔な街という印象だ。新羽付近の高架線からの見晴らしもいい。

横浜市営地下鉄ブルーラインで次の目的地へ
地下鉄といっても、景色が見える横浜市営地下鉄ブルーライン

静かでじっくり見学できる「横浜市電保存館」

 さて、この電車で向かうのは吉野町駅。そこから113系統磯子行きのバスに乗って「滝頭」停留所で下車。通りの1本隣の道に歩いていくと「横浜市電保存館」がある。明治時代から昭和47(1972)年まで活躍した横浜市電の車両や資料を集めた施設だ。鉄道関連施設にしては珍しく、現役の鉄道駅から離れた場所にある。この理由は、この敷地がバスの車庫になっている滝頭営業所の中にあり、ここがかつて、市電の最後の路線の車庫だったから。そんな隠れ家的(?)な立地のせいか、平日の入館者は少なく落ち着いた雰囲気だった。入館料は東急電車とバスの博物館と同じで大人100円、小中学生50円、6歳未満は無料だ。

吉野町で市営バスに乗り換える(左)。横浜市電1600型は4枚折りの戸が特徴(右)
実物車両7台を展示(左)。室内も開放。昭和レトロ感覚たっぷり(右)

 こちらは実物車両の展示が豊富だ。関東大震災以降から廃止に至るまでの代表的な車両が7両、貨物用電車が1両。どれも室内に入れるし、運転台も触れる。523号の窓は当時の車窓フィルムが映し出されていた。筆者は横浜市電に乗る機会はなかったけれど、これも当時を知る人には懐かしいだろうなあ。実車が残っているだけに、それぞれの特徴を確かめられて楽しい。車体中央に出入り口を持つ電車があったり、ふたり掛け座席を並べて「ロマンスカー」と呼ばれた車両があったり。扉も折り戸や引き戸など様々。電車なんてどれも一緒、なんて思っている人はビックリするだろう。

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